第30章 日常15:こんなの初めて♡
ふふ、翔くんたら…♡
でもそうゆー僕も、もう我慢出来ないかも。
指でも全然気持ち良かったけど、でももっと太くて固くて熱くて…、翔くんで僕の中を満たして欲しい。
僕は翔くんの首に両腕を回し、翔くんのお顔を引き寄せると、耳元にくちびを寄せ、
「きて?」
と熱の籠った吐息と共に囁いた。
そしたらさ、翔くん…(笑)
耳まで真っ赤にしちゃって、それからコクリと頷いて…
「加減出来なかったらごめんね?」
言いながら、ゆっくりと腰を進めた。
「う…ぅ…、あぁ…っ…」
翔くんが僕の中に挿って来るのが、下腹部に感じるズンとした圧迫感と、皮膚の引き攣れるような痛みで分かる。
ああ…、やっと…、漸く翔くんと…
そう思ったら、どうしてだか涙が出ちゃって…
「え、痛い? 抜こうか?」
翔くんが慌てて腰を引こうとするから、
「違うの…、そうじゃないの…」
手首を掴んで引き止めた。
「で、でも…」
「嬉しくて…、夢だったから…、いつか大好きな人とこうなる時を、ずっと夢見てたから…、だから嬉しくて、幸せで、それで…」
我ながら乙女だな…なんて思いながらも、次々溢れてくる涙が止められない。
「だからこのまま…、もっと奥まできて?」
もっと深いところで、翔くんを感じたいの。
「智くん…」
翔くんの手が僕の手を握り、指が絡められる。
そして、
「俺もだよ…、俺もすげぇ幸せだよ」
翔くんの唇が僕の唇に重なって、一気に奥まで腰が進められた。
「あ、あ、あぁっ…、すごっ…、こんなの…初めて…」
今まで身体を重ねたことのある誰よりも、燃えるように熱くて、僕の中が隙間なく埋め尽くされたの、初めてかもしれない。
「全部挿った…みたい…」
「うん…」
「動いても良い?」
「うん…、動いて…?」
僕が頷くと同時に、翔くんの腰がゆっくりと動き始め…
翔くんの髪から、僕の頬にポツリと落ちた汗の粒が、僕の流した涙と混じり合った。