第30章 日常15:こんなの初めて♡
潤さんの車でマンションへと送って貰った僕は、数時間後に会う約束をして、翔くんと別れた。
一週間ぶりの我が家(…って程もまだ住んでないけど…)は、窓も全部締め切ったままだったから、しっかりサウナ状態になっていて…
現場仕事で暑さには大分慣れたと思ってたけど、流石に耐えきれなくてすぐにエアコンの電源を入れた。
それからお風呂のお掃除をして、冷蔵庫の中も片付けて、ついでに掃除機もかけて、溜まっていた洗濯物も洗濯機に放り込んで…、ってしてたらあっという間にけっこうな時間が経っていて…
「疲れたぁ…、うぅ〜眠ぃよォ…」
早起きしたせいか、それとも帰って来てから休む間もなく忙しくしたせいか、ソファに座った瞬間から瞼が重くなる。
一目惚れして買ったソファだけど、失敗だったかも…
寝心地良すぎ…
僕はソファにゴロンと身体を伸ばすと、お風呂用に用意してあったバスタオルを引き寄せた。
来る時連絡くれるって言ってたし…、それに僕の予想だけど、今夜はきっと眠れなくなりそうだから、今のうちにちょっとだけ…ね?
僕は耳元にスマホを置いて瞼を閉じた。
前のアパートにあったウィンドウファンと違って、新しいエアコンは高機能な上に効き過ぎるのか、寒さを感じて目を覚ました僕は、回らない頭のままスマホを手に取った。
するとそこには、
「ゲッ…、マジか…」
翔くんからの連絡が、五分おきに入っていて…最後の通知は一分前になっている。
しかも「下で待ってる」って…
「え、ちょっと待って?」
僕まだ…、翔くんが来る前にシャワー浴びて、もしもの時のためにシーツも替えて、色々準備しとかなきゃって思ってたのに、何にも出来てない…よ?
着替えだってしてないし…
「どうしよう…」
でも迷ってる時間なんてないよね?
だって翔くんはもう下まで来てるんだもんね?
僕はマナーモードにしたままだった自分を恨みながら、翔くんに電話をかけた。