第25章 scene5:チャペル
男達の手によって強引に開かれた膝が、ブルブルと震えた。
「くくく、こんな可愛い顔をして、随分立派なのね?」
露になった僕の息子くんをナイフの背の部分が撫でる。
ヒンヤリとした感触と、何とも言えない恐怖に、僕の肩が竦む。
でもそんな僕のことなんて全く意に介すことなく、NINOは相葉さんを振り返ると、松本さんに向かって視線だけで合図を送った。
NINOからの合図を受け取った松本さんは、相葉さんを後ろ手に拘束したまま、まるで相葉さんを突き飛ばす勢いで説教台の前へと押しやった。
「良く見ておきなさい? 私があの時、どんな酷い目にあったか…、その目でしっかりと見るがよいわ」
説教台の前に跪く格好になった相葉さんの前髪を、松本さんが乱暴に鷲掴み、上向かせると、相葉さんの視線が、僕の開いた両足の奥へと注がれた。
「やめ…て…、見ないで…」
両手も両足も拘束され、隠すことすら出来ない僕は、顔を背けることでせめてもの抵抗をする。
「や、やめ…ろ、あの時のことなら謝るから…、済まなかった。だから彼女には…」
「ふざけないで。済まなかった…ですって? 今更そんな言葉聞きたくもない」
「じゃ、じゃあ一体どうしたら許してくれる…」
「許す? 私があなたを? 許せるわけないじゃないの。馬鹿ね」
NINOが僕から離れ、「始めなさい」と男達に声をかける。
すると、僕を取り囲んだ男達が一斉に履いていた下着を絨毯の上に落とし、
「いやっ…、やめて…っ…」
僕は思わず硬く瞼を閉じ、顔を背けた。
でも…
一人の男が僕の後頭部を掴んだかと思うと、
「いっ…、んぐっ…っ…」
僕が叫ぶ間もなく、僕の顔に剥き出しになったお股を押し付けてきた。
口も鼻も、息も出来ないくらい強くおしつけられ、凄く苦しくて苦しくて堪らないのに、どうしてだか噎せるような男の匂いだけは僕の鼻先を掠めて…
僕は胃の底からこみ上げてくる物を感じた。