第24章 scene5:ツルテカな僕
それにしても眠い…
朝早くから行動していたせいもあるかもしれないけど、ここまで眠いのはきっとイキ過ぎたせいなんだろうね…
僕は自然と押し寄せて来る睡魔に逆らうことなく、全体重を和に預けウトウトを始めた。
でもその時、
「綺麗になったよ?」
和に言われて、ついでに頭を撫でられて、僕はお顔がお湯に浸かる寸前のところで目を覚ました。
危ない危ない…、溺れるところだったよ…
「僕、もう上がる…」
「そうしな? 逆上せられても困るし…」
「うん…」
僕もまた落っことされても困るしね?
僕は二人の手を借りて湯船から上がると、若干がに股気味になりながらバスルームを出て、僕のために用意してくれたタオルで身体の水分を拭き取り、一緒に置いてあったバスローブを羽織った。
リビングに戻り、ソファに身体を横たえると、エアコンの冷たい風が火照った身体を冷まして行くようで、ほんのちょっぴりだけど寒さを感じた。
あ、そういえば僕…、パンツ穿いてないや…
道理でお股がスースーする筈だよ…
ま、スースーするのは、何もパンツを穿いてないから…ってだけじゃなああんだけどね?
だって僕のお股…
僕はバスローブの裾を開き、そっとお股に手を触れてみる。
「あーあ…、本当に僕…赤ちゃんになっちゃったみたいだよ…」
いつもなら指に絡んで来るモノが、今は一切絡んで来ないし、寧ろツルンと指が滑ってしまいそうなくらい、スベスベとしている。
いくらお仕事のためとは言っても、これだけは絶対に避けたかったのにな…
だってさ、普通に銭湯とかにも行けないんだよ?
それに“連れション”だってさ…
滅多に銭湯にも行かないし、トイレは個室を使うから、そこまで気にすることはないんだろうけどさ、やっぱりツルてかなのは恥ずかしいし、見たら絶対笑うじゃん?
でも仕方ないよね…
これも全部僕が自分で決めた事なんだもん。
ツルてかになってしまったことを今更嘆いたって、どうしようもないことだもんね…