第24章 scene5:ツルテカな僕
不思議なんだけどね?
もしかしたら僕だけなのかもしれないんだけどね?
本当に…、それこそ身も心も満たされて、最高に気持ちが良くて気を失う時って、目の前って真っ暗にはなんないんだよ。
真っ白になっちゃうの。
目の前がね、キラキラした雪の結晶みたいなのに覆われてね、まるで天国にいるみたいな…、そんなふわふわした気分になるの。
こんな経験、僕は割と多い方なんだけど、この時も正にその通りの現象が起きていて…
頭の中で風船がパーンと弾けたかと思った瞬間、目の前が真っ白なモノに覆われて…
僕は意識を手放した。
ついでに溜まっていたモノも、ぜーんぶ…
「ねぇ、全然起きないけど、まさか…ってことないよね?」
相葉さん…の声?
ってゆーか、”まさか”って何?
「んなことあるわけないでしょ…。馬鹿も休み休み言いなさいって…」
この声は…和の声だ。
「でもさぁ、ピクリとも動かないよ?」
「そりゃそうでしょ…、あんだけ乱れに乱れまくったら、指一本だって動かすの億劫になるって…」
流石和だ。
良く分かってる♪
それにしても…
さっきからやたらと熱いし、フワフワ浮いてるような気がするんだけど…、ここはどこなんだろう…
僕は薄目を開けて周りを見回してみる。
あ、そっか…、お風呂ね?
そうだよね、きっと僕の身体、汗やら精液やらでグチャグチャだもんね?
だから綺麗にしてくれるんだよね?
だったらもうちょっと寝たふりしとこうかな♪
なーんて思った瞬間、
「あ、え、ちょ、ちょ、ちょっ…、あっ…」
和の慌てふためくような声が聞こえて…
「う、うわぁっ…!」
物凄い水飛沫と音を立てて、僕の身体が湯船に落とされた。
どうやら、僕の足を抱えていた和がバランスを崩し、それに連動して脇を支えていた相葉さんが手を滑らせ…
結果、僕は…ってことらしいんだけどさ…
もぉ…、気を付けてくれなきゃ困るよ。
もし怪我でもしたらどうすんの?