第24章 scene5:ツルテカな僕
「寝室、行こ?」
「うん…」
和が差し出してくれる手を取り、ゆっくりとした動きで立ち上がった僕は、そのまま引っ張られるようにしてリビングを出て、和の部屋へと移動した。
そうだよね、流石に相葉さんがいないのに、二人の寝室で…ってわけにはいかないか…
「じゃあ…、準備して来るから、下脱いで待ってて?」
「うん…」
頷いた僕の頭を撫でて、和が部屋を出て行く。
僕はベッドの端っこに腰を下ろして、外見には不釣り合いなボクサーパンツを脱ぐと、クシャッと丸めて隠そう…と思ったけど、紙袋はリビングに置きっぱなしで…
仕方ななく、数枚のパットで上げ底にしたブラの中に突っ込んだ。
そしてベッドに横になると、ボンヤリと天井を見上げながら、急に風通しの良くなったお股に、そっと手を触れてみる。
何か…さ、初めて毛か生えて来た時は、大人になったんだ、って嬉しく思う反面、自分の身体が醜くなるような気がして凄く嫌だったけど、いざ無くなると思うと、ちょっぴり寂しいかも…
何てゆーかさ、お洋服着ずにお外歩く感じ…になったりするのかな…
「ごめんね、息子くん…」
そっと持ち上げた息子くんの頭をスリッと撫でた、丁度その時部屋のドアが開いて、
「なーに、一人で弄ってんの?」
洗面器と、剃り剃りセットを手にした和が、ニヤニヤと笑いながら僕を見下ろした。
「ち、違う…、これはただお別れを…言おうと思って、それで…」
「お別れって…、毛に?」
「うん…」
「またすぐに生えてくるよ?」
「うん。でも暫くお別れじゃん? だから… 」
だってさ、髭やすね毛と違って、お股の毛ってそんなに剃ることもないからさ、考えたらけっこう長い付き合いだったな、って思ってさ…
「ふーん…、言いたいことはなんとなーくだけど、分かったんだけどさ、別に勃たせる必要はなくない?」
「え…?」
えぇぇぇっ、何でぇ〜?
何で僕の息子くん、元気になってんの?