第23章 scene5:“初”エステ♡

何だか二人のやり取りが微笑ましくて、こっそり肩を揺らしていると、

｢そういうことだから、分かったらとっとと選べ｣

長瀬さんがいつも通り、鬼軍曹の口調で言うから、僕の背筋が一気にピンと伸びる。

｢ふふふ、そんな怖い顔しなくても良いのにね？｣

斗子さんが肩を竦めてるから、僕も一緒になって肩を竦めて見せた。

｢それで、HIMEちゃんはどれがお気に入りかしら？｣

｢んと、僕はさっきの、背中に大きなリボンが付いたのが…｣

あ、でも…

｢こっちの袖がふんわりしたのも可愛いかも…｣

ああ〜ん、もぉ…
どれもこれも可愛くって、この中から一着だけ選ぶとか、大変過ぎ…

｢後は？ これなんかHIMEちゃんにピッタリだと思うけど、どう？｣

そう言って斗子さんが見せてくれたのは、胸元は…やっぱりザックリしてるんだけど、とてもシンプルなデザインで、ハイウエスト気味なウエスト部分のブルーのリボンが、とってもお上品で、裾もふんわりしてて…

派手さはないけど、とっても素敵♡

｢ね、僕、これ着てみたい！｣

｢そ？ じゃあ、バスローブ脱いでくれる？｣

｢うん♪｣

って、喜び勇んでバスローブの腰紐を解いたけど…

｢あ…｣

そっか、僕、バスローブの下何も着けてなかったんだった…

まあでも今更恥ずかしがることもないよね？

だって斗子さんの前で僕、あろうことか紙パンツ突き破ってイッちゃったし、長瀬さんに関してはもう…言うまでもなく、僕の裸どころか、あらゆるとこ見られてるわけだしさ…

うん、今更だよね？(笑)

｢一応、お胸だけは作らせて貰うわね？｣

｢はい｣

多分専用の物…なんだろうけど、やたらと分厚いパットの入ったブラジャーが、僕のぺちゃぱいに着けられ、背中でホックがかけられる。

普段はストラップ有りの物ばかり着けてるから、ストラップが無いのがちょっぴり不安だけど、思いっきり肩出ちゃうから仕方ないよね？