• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第23章 scene5:“初”エステ♡


「さあ、出来たわ。目を開けて?」

言われて僕は瞼を持ち上げる。

いつもよりも瞼が重く感じるのは、きっとたっぷり塗られたマスカラのせいね?

「あまり濃くなり過ぎないようにしたんだけど、どうかしら?」

どうかしらって…、こんなの…

「なんか僕じゃないみたいで…」

すっごく変な感じなんだけど、でも…

「凄く良いかも♡」

「本当? HIMEちゃんにそう言って貰えると、私も嬉しいわ。あ、でも一応鬼軍曹の意見も聞いとく?」

お、鬼軍曹って…(笑)

間違ってないけどさ、なんなら僕だってずっと思ってたけどさ、恋人の斗子さんが言うから笑えちゃう(笑)

「あ、あとウイッグだけど、本番はアップスタイルにも出来るように、アレンジの効く物を用意するんだけど、今はとりあえずこれで…」

キュッと髪を纏めた僕の頭に、元々アップスタイルに形作られたウイッグが被せられ、斗子さんが鏡を見ながら微調整をする。

いつもは栗色のウイッグを使うことの多い僕だけど、黒髪ってあんまりないから、これまた新鮮かも♪

「うん、これで良いわね。それじゃ、お待ちかねの衣装合わせをしましょうね?」

「はい」

正直言うと、全然待ってはいなかった。

だってさ、当日に着るもんだとばっか思ってたから、前もって着ちゃうのは、楽しみが半減しちゃうのかな、って…

でもさ…

可動式のラックにかけられた衣装を目の当たりにしちゃうとさ、やっぱり興奮しちゃうわけで…

「え、ねぇ、この中から選んで良いの?」

「サイズはHIMEちゃんに合わせてあるから、どれでも好きなのを選んで?」

「え、え、え、本当に?」

僕はラックにかけられた衣装を手に取り、バスローブを纏ったままの身体に宛ててみる。

けど、ふと思ったんだ…

こんなに綺麗なのに、勿体無いって…

だって、チラッとしか見てないけど、あの絵コンテを見る限り、どんなに綺麗に着飾ってもさ、結局…
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp