第23章 scene5:“初”エステ♡
思い出し笑いをしつつ、シャワーを浴び終えた僕は、金の縁取りがされた豪華な鏡の前に立った。
「うわぁ…」
今までエステとか、あんまり興味もなかったし、必要も無いと思ってたけど…
「こんなに違うんだ…?」
鏡に写った自分の身体を見て、あまりの違いに驚いてしまう。
だってだよ?
実際に手で触れなくても、肌の質感が数段上がってるのが、鏡越しにも分かるんだよ?
凄くない?
それに何だかツヤツヤしてるような気もして、ちょっと感動しちゃう♪
…って、自分の裸にウットリしてる場合じゃない。
あんまり遅いとまた長瀬さんに怒られちゃう。
僕は急いでバスローブを羽織ると、バスルームのドアを開けた。
「お待たせしました」
案内してくれたお姉さんに言うと、お姉さんは「こちらへどうぞ」とニッコリ笑った。
斗子さんも美人さんだけど、このお姉さんもとっても綺麗♡
透き通るくらい真っ白なお肌と、タイトなミニスカートから伸びた華奢な足…
僕…ってゆーか、もう一人の僕でもあるHIMEが、どんなに欲しいと思っても、絶対に手に入れられない物ばっかで、ちょっぴり羨ましい。
まあ、そもそもタイトなスカートって、お股がモコッとしちゃうから、あんまり履いたりしないんだけどね?(笑)
あ、でも、お仕事辞めちゃったら、女の子の格好をすることも無くなっちゃうんだよね…
そう考えるとちょっぴり寂しいけど、自分で決めたことだから仕方ないよね?
「どうぞ」
「はい、ありがとうございます…」
お姉さんの案内で通されたのは、さっき僕がエステを受けたお部屋の倍はありそうな、大きな…んでもって豪華なドアを開けた先の広いお部屋で…
「うわぁ…」
一面をガラス貼りにして、大きな窓からはたっぷりの日差しが差し込むそこは、まるでお城の大広間みたいで…
僕は驚きのあまり声を失くす…と同時に、バスローブ一枚を纏っただけの僕が、そんな場所にいることが急に恥ずかしくなった。