第20章 日常8:パーティー…とは?
それでも何とか誤魔化そうと、
「何のことだか僕にはさっぱり…」
すっとぼけてみるけど、眼光鋭い松本さんが僕の動揺を見抜かない筈…ないよね。
「くく、現場でも思ったことだが…、本当に面白いな…」
え、面白いって…、酷くないですか?
僕、面白いキャラじゃないし…、可愛い子キャラだし…
「と、とにかく、僕には何のことか…」
僕は不機嫌丸出しの顔で肩に回った松本さんの手を払うと、プイとばかりに背中を向けた。
だってさ、これ以上サングラス越しでも分かる鋭い眼光に見つめられたら、僕誤魔化しきる自信ないもん。(←既に誤魔化せてないけどね?)
なのにさ…
「大野くん…、だったっけ? この額のホクロ…、HIMEちゃんななもあったような気がするんだけど…、気のせいかな?」
僕の額を指でツンと弾くもんだから、そりゃ僕も焦るよ。
しかもだよ?
「それとコレ…」
その指がツーッと下へ下へと滑ったかと思うと、超ショートパンツから出た僕の足を撫で、僕も全く気付いてなかった内腿にある赤い痣でピタリと止め、
「これ、キスマークだよね?」
指の先で赤い痣の周りを、まるで擽るように撫で回した。
それには流石の僕も…
「ち、違う…もん…、あっ…」
下半身がチクンと痛くなるのを感じずにはいられなくて…
「かずぅ…」
半泣きで和に救いを求めた。
だってさ、松本さんてさ、息子くんのサイズは微妙だけど、テクニックだけはやたらあるんだもん。
そんな松本さんだから、ちょっと撫でられただけでも、充分過ぎる程感じちゃうんだよ。
多分和もそれを知ってるんだよね…
僕の隣に席を移動すると、正面から僕を抱き締め、
「その話はまた後日ゆっくりってことにしません? この子は今“智”なんで…」
僕の太腿を撫で回す松本さんの手を止めた。
ふぅ…、助かった…
あ、でもこれで油断しちゃダメなんだよ…ね?
“今は”ってことはさ、暗に僕が“HIME”だってこと明かしちゃってるようなもんだもんね?