第3章 scene1:屋上
いつも思うんだ。
カメラマンさんや監督さんて、どうしてこうも人を乗せるのが上手いんだろうって…
ひょっとしたら僕が単純過ぎるのかも知んないけど、散々“可愛い”とか“セクシー”って褒められて、気付いた時にはどんどん脱がされちゃって…
今だってそう。
カメラマンさんや監督さんだけじゃなく、長瀬さんだって、他のスタッフさん達だって見てるのに、お股はおっぴろ状態だし、胸だってブラは着けてるものの、片方の乳首は見えちゃってるし…
しかも、肌に感じる風は凄く冷たいのに、身体はやたらと火照ってるし、別に自分で触れてるわけでも、誰かに触られてるわけでもないのに、アソコは元気になりかけてる。
何て言ったら良いのかな…
視姦されてる感じ?
何だか僕、見つめられると興奮しちゃうタイプらしい?
だって、皆の僕を見る目ったら、ハート型ならまだしも、下心丸出しで僕を見つめてくるんだから(笑)
おかげで僕も、
「HIMEちゃんはエッチだなあ…、おっきくなってるよ?」
なんて言われても、否定すら出来ず…
「ふふ、見たい…ですか?」
なんて、とんでもなく恥ずかしい言葉を口走ってしまう。
「そうだな…、じゃあ先っぽだけ出してみようか?」
「こう…ですか?」
僕は言われるまま、下着を少しずらして、硬くなり始めた先っぽだけを外気に晒した。
「凄いねぇ(笑)」
「そう…ですか?」
“凄い”と言われたって、一体何のことだか分かんないけど、一応褒められてるん…だよね?
「よし、今度はそこで立ってみようか…」
何度かシャッターを切ったカメラマンさんが、カメラを顔から外して、落下防止のために張られたフェンスを指さした。
「ここですか?」
潮を含んだ風と、時の流れによって、今では所々錆びてしまっているけど、元々は鮮やかなグリーンだったことが分かるフェンスに、僕は裸同然の姿で立った。