第20章 日常8:パーティー…とは?
とんでもなーく酷い筋肉痛に悩まされながら、自転車に跨りバイト先に向かう。
こんなに筋肉痛が続くことって、今まであったっけ?
多分ないよぬ?
だっていつもなら、撮影の翌日一日お休み貰うだけでしっかり回復するのに、余分に一日お休み貰っても全身の痛みが抜けないなんて…、僕もいよいよ年なの?
はあ…、行きたくないな…
でもな…、お金の心配はない(副収入があるからさ♪)けど、そうそうお休みばっかしてらんないし、櫻井くんにだって会いたいし…
だって櫻井くんたらさ(笑)
心配してくれてるんだと思うんだけど、何度もメールくれるんだもん。
で、僕がお返事返さないと、今度は電話かけてくるしさ…
嬉しいんだよ?
好きな人からメールとか電話とかさ、すっごく嬉しいんだけどさ、僕が意識し過ぎなのかもしんないけだ、緊張しちゃうんだよね…
ま、直接顔見るのも、“好き”って意識してるせいか、けっこう照れ臭いんだけどね?(笑)
僕はふくらはぎと腰の痛みに耐えつつ、自転車のペダルを漕いだ。
会いたかったんだもん、櫻井くんに。
声は電話て聞けるけど、顔はさ…見れないんだもん。
そうしてやっとの思いでレンタルショップに辿り着いた僕は、目の前に立ちはだかる階段にガックリと肩を落とす。
すっかり忘れてたんだもん、階段があることを…
でも、この階段を上らないわけにはいかないから、僕は両手でしっかり手摺を握り、一段…また一段と足を進めた。
その時、
「大野…くん…?」
後ろから声をかけられ、咄嗟に振り向こうと手摺から手を離した僕は、
「う…わっ…」
どうやら足を滑らせてしまったみたいで…
落っこちる直前で、
「…っぶね…」
丁度真後ろにいた櫻井くんの腕に抱きとめられた。
「もう…、何ボーッとしてんの? 危ないでしょ?」
「ご、ごめん…、ちょっと考え事してて…」
なーんて嘘なんだけどね?
だって、エッチのし過ぎで全身筋肉痛なんてさ、言えないもんね?