第19章 scene4:宴会場
「じゃあ、まず何から聞いて行こうかしら…」
NINOが手元の資料をペラペラ捲るから、
「ふふ、もお何でも聞いちゃって下さい♪」
って一応答えてはみるけど、内心ハラハラドキドキの僕のお顔は、多分ちょっぴり引き攣ってると思う。
「そうね…、HIMEちゃんのチャームポイントとかあれば教えてくれる?」
「チャームポイントですかぁ?」
う〜んと、と僕は人差し指を顎先にちょこんと宛て、クイッと小首を傾げる。
だって本当に分かんないんだもん。
NINOみたいに魅力的なホクロの一つでもあればさ、パッと言えるんだろうけど、僕のお顔なんて超ありきたりだし…
う〜ん、何て答えたら良いんだろう?
あ、でも僕がもし“HIME”のファンだったら…きっと、
「ふっくらした“ほっぺ”かな♪」
って言って欲しいかも。
だってさ、自分で言うのもなんだけど、僕のほっぺって、大福みたいにふわふわモチモチしてるんだもん♡
「そうね、確かにHIMEちゃんの“ほっぺ”って、赤ちゃんみたいで可愛いわね」
「ふふ、でしょ?」
「ええ、キスしたくなっちゃうわ♡」
「え、やん、HIME照れちゃう♡」
って言いながら、満更でもない僕(笑)
「あ、キスと言えば…HIMEちゃんのファーストキスはいつだったのかしら? もし良ければお相手がどんな方だったのも聞きたいわ」
「HIMEの…ファーストキス…?」
えっと…、僕のファーストキスは確か…
「何歳の頃だったの?」
幼稚園の頃だったと思うけど、それはあくまで“智”としてのことで、“HIME”としてではないから、やっぱり答えは…
「ふふ、HIMEのファーストキスはぁ…、ひ・み・つ♡」
「あら、どうして? あ、言えない理由でもあるとか?」
「ううん、そうじゃなくて…。HIMEね、誰が初めて…とかじゃなくって、その人と初めてキスする時はいつもファーストキスだと思ってるから…」
…って、こんな説明で分かる?