第17章 scene4:温泉宿
僕は受け取ったティッシュで、まずずっと気になっていた息子くんの先っぽを拭いた。
お買い物してる間に乾いちゃったからか、全部は綺麗に取れなかったけど、ほんのちょっぴりだけどさっぱりしたような気がした。
でも服に着いたシミだけはどうしても取れなくて…
「ねぇ、これって買い取りになったりするの?」
僕達みたいな…特に汚れること前提のお仕事の場合、よっぽどじゃない限り、買い取りになることはないみたいだけど…
だってパンツに着いたのだって、ゴシゴシ洗えば落ちるんだしさ、お洋服だって同じじゃない?
「まあ、無いとは思うけど、もし気に入ったんなら、個人的に買い取りも可能だとは思うけどな」
「ふーん…、でもいいや…」
お仕事でもない限り、こんな格好することなんて滅多にないし、仮に次のお仕事で使う…ってわけにも行かないもんね?
僕はあちこち拭いて、ちょっぴり青春の匂いがするティッシュをコンビニ袋に纏めると、口をキュッと縛って足元に置いた。
「あ、そう言えばカメラ…」
さっきからずっと止まってるみたいだけど、撮らなくても良いの?
「ああ、もう十分HIMEちゃんの可愛い姿撮れたから♪」
そう…なの?
ずっと一人エッチしてただけなのに?
「それにもう目的地に着くしね?」
言われて前方に視線を向けると、目の前に広がる景色はすっかり緑に溢れていて…
「え、じゃ、じゃあ、パンティ穿いても…?」
どうせすぐに脱ぐことは分かってるんだけど、さすがにさっきみたいな恥ずかしい思いはもうしたくないもん。
「あ、うん、穿いても良いよ(笑)」
ほっ…、良かったぁ…
だって男の子って、女の子と違って足が三本あるじゃん?
真ん中の足は超短いんだけど、けっこう落ち着きがなかったりするんだよね♡
僕は風間ポンにお許しを貰い、早速パンティを身に着けた。
うん、安定感抜群ね。
やっぱりこうじゃなくっちゃ♡
って言ってる間に、どうやら今日の撮影場所でもある温泉宿に着いみたいよ♪
『温泉宿』ー完ー