第17章 scene4:温泉宿
「えーっと、じゃあ…」
いつの間にスイッチが入ったのか、風間ポンが一つコホンと咳払いをしてから、急に真剣な顔をする。
ってゆーか、いきなり過ぎない?
僕まだ恥じらい中なのに…
あ、もしかして…
この僕の恥じらう姿が、風間ポンには響いたとか?
それとも赤いパンティにドキッとしちゃったとか?
ふふ、どっちにしても僕が魅力的だから…だよね?(←自意識過剰か!)
僕はおっぴろげになった足を閉じ、スカートの裾をサッと直すと、風間ポンを真似てコホンと咳払いをしてから、ちょっぴり姿勢を正した。
「まずは、今日一日よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いしま〜す♪」
不思議ね?
カメラが向けられた途端に、声のトーンも高くなっちゃうんだもん♪
ふふ、しっかりHIMEスイッチ入っちゃったみたいよ♡
「HIMEちゃんは、温泉好き?」
「う〜ん、HIME…お風呂は好きなんだけどぉ、熱いのは嫌いなの」
いっつもそうなんだけど、すぐ逆上せたみたくなっちゃうんだよね、僕…
「そうなんだ? じゃあ入浴剤とか入れたりはしない?」
「入浴剤は入れるかなぁ…。あ、ラベンダーの香りとか、けっこう好きかも♡」
そのおかげかな…
よく、「HIMEちゃんの身体はとっても甘い香りがするね」って言われることも多かったりする。
「ラベンダーか…、だからHIMEちゃの肌って、滑らかで綺麗に見えるのかもね?」
「そぉ…かな…」
ふふ、面倒なお手入れも頑張った甲斐があったわ♪
「じゃあさ、ちょっと見せてくれる?」
「え…?」
「って言うか、触っても良い?」
カメラを構えたまま、風間ポンが僕の太腿に向かって伸びて来る。
僕は咄嗟に両足に力を入れたけど、スカートの裾がゆっくり捲り上げられると同時に、足の力も一緒に抜けて行き…
「思った通りだ、凄く柔らかくて、スベスベしてる」
太腿をそっと撫でられた瞬間、身体が小さく震えた。