第16章 日常7:眠れない僕と寝相の悪い彼
櫻井くんが戻るのを待って、僕もシャワーを浴びにお風呂場に向かう…けどちょっと待って?
この間は僕がジュースを零しちゃったこともあって、僕が先にシャワーを浴びたわけだけど、今日は櫻井くんのが先。
ってことは、もしかしてもしかすると…
櫻井くんの“落し物”なんかがあったりするかも?
裸んぼになった僕は、お風呂場の床の上に四つん這いになり、目を皿のように細くした。
僕は…気にする方だけど、櫻井くんは多分気にしないタイプだろうから、きっとお風呂上がりの床を流す…なんてことは絶対にしない筈。
だからきっと…
「あ、あった!」
僕はお風呂場の壁にペちょんと貼り付いた、明らかに僕とは違う毛質のクルリンと縮れた短い毛を指で摘んだ。
「これが櫻井くんの…」
僕は摘んだ毛を指にクルンと巻き付けると、鼻先に近付けた。
匂いなんて残ってるわけないのに…
って、ヤダ…、これじゃ僕、変態さんみたいじゃん…
僕は小さく息を吐き出すと、毛を巻き付けた指をお股に移動させ、綺麗にビキニラインを整えた僕の繁の中に埋め込んだ。
我ながら馬鹿だと思うよ?
だって、こんなことしたってどうせ流れて行ってしまうもん。
でもさ、せめて毛同士でも…って思う僕は、やっぱり超が付く程の変態さんなのかも…
僕はシャワーヘッドを握ると、思いっきり蛇口を捻った。
すると、握ったシャワーヘッドから勢い良く熱湯が飛び出して…
「う、うわっ、アチッ、アチチッ…」
僕は狭いお風呂場で、一人阿波踊り…じゃなくて、一人足をジタバタとさせた。
だってさ、まさか、こんなに熱いと思わなかったんだもん…
もお…、ちゃんと温度直しといてよね…
僕の大事な“息子くん”が火傷したらどうすんの?
これでも一応、僕の“商売道具”なんだからね?
もっとも、“息子くん”以上に大事なのは、お尻の“あ・な”だから、そこが大変なことにならなくて良かったけどね?(笑)