第14章 日常5:素顔の僕とお姉ちゃん(?)
和がヒーヒー言いながら、目の橋に溜まった涙を指で拭う。
ってゆうか、これでも僕真剣だったんだからね?
なのにそんなに笑わなくたって良くない?
「ごめんごめん(笑) もう、智ってば冗談も通じないんだから」
「冗談だと思わなかったんだもん…」
和の息子くん、僕の手の中で、今にもムックリしそうなくらいにピクピクしてたし…
だからてっきり和は本気なんだ、って…思っちゃったんだもん。
悪いのは、意地悪な和だ。
もう和なんて…
意地悪ばっかする和なんて…嫌い。
でも、やっぱり…
「好き♡」
僕は和の頬にチュッと音を立ててキスをした。
それから相葉さんにもね。
だってさ、貞操の危機(←実は根に持ってる?)もあったし、意地悪もされた(←やっぱり根に持ってる?)けど、結局のところなんだかんだ言ったって、二人のおかげで胸のつかえがスーッとなくなったわけだし…
お礼はちゃんとしないとね♪
「えっ…?」って二人は(特に相葉さんは)とても驚いた顔をしていたけどね(笑)
その後、一度は帰ろうとしたけど、どうしても晩ご飯も一緒にって言う相葉さんに引き留められた僕は、和お薦めのゲームを楽しんだりして時間を過ごし、最終的には晩ご飯だけじゃなく、お風呂までしっかり借りて和と相葉さんのマンションを後にした…けど、結局すぐに引き返した。
だって僕、どうやって帰って良いのか分かんなかったんだもん。
それに、僕が思ってた以上に外が暗かったし…
ほら、可愛い子(←ついに認めたか!)の夜道の一人歩きは危険じゃん?
だから相葉さんには申し訳ないと思ったけど、最寄りの駅まで来るまで送って貰うことにした。
もっとも、相葉さんも和も僕が引き返して来るのは予測済みだったらしく、僕がピンポンを押すよりも前に、エントランスホールまで降りて来てくれてたんだけどね?
「ほら、私の言った通りでしょ?」
「酒飲まなくて正解だったね」
なんて笑いながら。