第12章 scene3:診察室
「あ、あんっ…、凄っ…」
僕は松本さんに身体を揺らされながら、可能な限りの甘い声で喘いだ。
でもさ…、やっぱり演技は演技だよね?
ずっと結合部分を狙っていたカメラが僕に向けられた瞬間、松岡監督さんの眉毛がピクリと上がって…
どこから取り出したのか、
「下手くそな芝居してんじゃねぇ!」
スケッチブックいっぱいに、書かれた文字が僕に向けられた。
あは…、あはは…、しっかりバレてるみたい…
でも仕方ないじゃん?
感じようにも、肝心な部分に肝心なモノが当たらないんだもん…
それじゃあいくら全身性感帯な僕でも、本気で感じるなんて無理だよ…
お仕事…だもんね?
僕…ってゆーか、HIMEが可愛らしく感じる姿を、楽しみにしてくれてる人、きっとたーくさんいるもんね?
櫻井くんも…そうよね?
ちゃんと期待に応えないと…HIME失格ね…
僕は身体を打ち付けられながら、“Prince”の先っぽが僕の“アソコ”に当たるよう、松本さんに気付かれないように身体をずらした。
すると…
あれ…?
あれれれれ…?
う…そ…
「ひゃっ…、あっ…、凄っ…、あ、あ、あ、あんっ…」
突然全身に電流が流れたような…
ううん、電流なんて可愛らしいもんじゃないわ…
ドッカーンと雷が落ちたみたいな、物凄い衝撃を感じて…
しかも視界が、まるで花火が散ったように真っピンクに染まって…
僕は憧れのナースキャップが床に落ちるのも構わず、
「いい…っ…、そこ…、もっと突いてぇ…っ…、ああっ…、こんなの…、HIME初めて…」
激しく頭を振り、アップスタイルに纏めてあった髪も振り乱した。
だってね、それまで挿ってる感覚すらなかったのに、本当に気持ち良かったんだもん♪
あ、そっか…
僕分かっちゃったかも。
何が、って?
ふふ、松本さんがどうしてこんなに人気で、有名なのかってことに決まってるじゃない(笑)