第1章 抱擁しないと出られない部屋 【竈門炭治郎】
嘘でしょん...?
「彩花さん!なんて書いてあったんですか?」
『(あー、もうそんな曇りなき眼できかないでよぉぉぉ)えと...『抱擁しないと出られない部屋』...と...』
「ほ、抱擁...ですか...////」
ああああ!ごめんなさいいいい!炭治郎くんみたいな純粋な少年を汚してしまって...
『ごめんなさい。嫌だと思うけど...鬼を倒すためだから...』
「い、いえ!俺、よく兄弟を抱き締めてあげていたので大丈夫です!慣れてます!長男なんで!」
なんかすごく...「どやさ!」って感じがする
『でもごめんね...?こんなおばさんと』
「いや、ひとつふたつぐらいしか変わらないじゃないですか!俺は大丈夫なんで、もうどんときてください!」
『じ、じゃあ...お邪魔します』
そう言って、少し私より高い彼の体を抱き締めた。
「何かいい匂いしますね...」
それは思っても口に出さないでよ!耳元で喋られたらなんか変な感じがする...
「ふふ...。」
え!?頭撫でられてる?
顔に熱が集まる。
『た、炭治郎。その...恥ずかしいのでそれはちょっと...』
「あ、ご、ごめんなさい!つい兄弟と重ね合わせてしまって...」
確か...炭治郎の兄弟は禰豆子ちゃん以外は殺されてしまったんだっけ...
『や、やっぱいい...よ?別に減る物じゃないし...』
「そうですか?じゃ、じゃあ遠慮なく...」
扉が開くまで、暫らく堪能されました。