第1章 いつものこと
仕事を終えた、私はぐったりとしながら帰路につく
ナックルシティのブティックで働いているのだが、今日はとてつもなく面倒くさい客がきて、その人の相手をしていたのだ
それを見ていた店長が「あの人の相手をしてくれてありがとうね……。もう人がたくさん来ることないから、帰っていいよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えてきた
あー、もうさっさと帰って布団に埋まりたい……
家でお留守番をしているポケモンたちに早く会いたいなー、なんて思いながら、足早に家に向かう
途中でストアに寄ったりして、きのみおつまみや、お酒を調達した。
嫌なことがあったので飲んでしまおう!
……なんて考えていて、あの人のことを全くもって忘れていた。
「……ゔわっ……なんで来てんのよ…」
「よぉ、あがらせろよ」
私が住んでいるアパート前に待機していたヤツがいた。
ガラル地方の最強のジムリーダーなんて言われている、キバナだ。
私と彼は幼馴染で、私が一人暮らしすると言ったら
「ナックルシティにすればオレ様と会えるぜ?」
「いや丁度仕事場ナックルシティになっちゃったから私ナックルシティに住むよ。あと、別にあんたはいてもいなくてもどっちでもいいよ」
「はぁ〜?オレ様と一緒にいれるのをありがたく思えよ」
「今更無理でしょ」
なんて会話をしたのは今でも覚えている。
自分に(色々)自信あるのは良いことなんだけど、やっぱり彼も人。落ち込むこともあるし、傷つく。
まぁ、これ言ったら怒られるけど、彼にも甘える場所が必要ってわけだ。すると何故かこうやって何かしらあった時には私の家に来る。
身近で手頃のいい愚痴り場所で、気楽に会話できるヤツって言ったら私になったのだろう。
「はー……来るのは良いけど事前に連絡してよねって、毎回言ってるのに……こっちだって支度もあるし、こうやって私より先に来られると、あんたがここに出入りしてるのがバラされるかもしれないでしょ!」
「あー、心配すんなって。バレたってなんも問題ねーだろ?」
「問題ありありだわ。自分の人気考えてよ……」
そんな会話をしながら、私達は部屋に入っていった。