第2章 連絡
着替え終え、ポケモンたちと夕飯を食べたりお風呂を済ませてゆったりすごす
家にいる間はみんなボールから出して過ごしている。みんなに物を壊さないようにと、伝えるとちゃんと気をつけてくれるので、本当に賢いなぁと思う。
あ〜……ヴィーくんあったかいなぁ…
相棒のウインディの毛に埋まりながらウトウトして、時刻が23時を過ぎようとしていたその時。
突然机の上に置いてあるはずのスマホロトムから発信音が鳴った。
私は何事かと思い、すぐさま体を起こし、スマホロトムを置いた場所を見る。
そこには今日仕事の手伝いをしてくれたニャスパーこと、ハルがスマホロトムと戯れあっているのか、ポチポチと画面を触っていた。
「ハル!?」
「ニャパ?」
私は急いでスマホロトムを取り上げた
無邪気な性格だなとは思っていたけれど、こんなことをしでかすとは思ってもいなかったよ…!
発信音を止めるべく終了ボタンを押そうとするが、その前に今日聞いたことがある声が聞こえてきた
「もしもし」
私は言葉を失い、スマホロトムを落としたが、ちゃんと目線の高さまで戻ってきてくれた。
「……?おいスズ、どうした?」
「ご、ごめんなさい!うちの子が勝手に発信しちゃったみたいで…!」
大事にさせないために急いで返事をする。
ああ、なんでキバナさんなんだ…!!せめて普通に友達とかならまだしも……こんな時間に電話かけるやつとか迷惑でしかないじゃん
「あー、ハスブレロとかか?」
「えっ…?い、いえ、ニャスパーです」
「ニャスパー?……オマエ持ってたっけか?」
「ジムチャレンジしてた頃は持ってませんでした。……まさかキバナさん私の手持ち覚えてたんですか…?」
ハスブレロを使っていたことを知っているのも、それ以外考えられ無いけれど、覚えてくれていること自体も信じられずに聞いてみると、「覚えてる」一言そう返ってきた
嬉しい気持ちもある反面、やはり疑問も強くなる。数年経っていれば忘れると思っていたのは間違いだったのだろうか。キバナさんの記憶力に到底勝てる気がしない。
「ま、何事もねぇならいいわ」
「本当ごめんなさい……。ありがとうございます。失礼しますね」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい」
通話を終えたあと、私はふらふらとヴィーに倒れ込んだのだった。