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BERKUT【PSYCHO-PASS】

第18章 楽園事件:9


遠くで鳴り響く何かが少しずつ頭の中を巡りだして騒がしい。それが手首のデバイスからの呼出音だと気がつくと一気に覚醒した。今、何時かとベッド脇の時計を見ると午前九時を過ぎていた。今日のシフトは…。

「しまったぁ…」

がっくりと首を落として着信に応答する。常守監視官からだった。


「すまん、常守監視官。」

「おはようございます。大丈夫ですか?」

体調が悪いのかとすぐには連絡しなかった常守もさすがに遅いと思い他のメンバーが来る前に連絡したようだ。

「あぁ、大丈夫だ。すぐ行く。」

「お願いします。」

通信を着ると枕に顔を押し付けた。そのまま隣を見ると眠っている…いや起きていた。琥珀色が静かに見ている。
掛布から出る白い肩を撫でた。冷えている。

「おはよう。」

「おはよう、ございます。」

は掛布から手を出して同じように宜野座の肩を撫でた。昨日の余韻がまだ体に残っている気がした。

「呼び出しですか?」

「いや、寝坊した。初めてだ…」

「すみません、疲れましたよね。」

「いや、とてもよく眠れたよ。」

宜野座はベッドから起き上がって昨日脱ぎ捨てた服を拾い上げると寝室を出て脱衣所へ。脱衣籠に服を入れて自分は浴室へ入りシャワーを浴びる。目を閉じて顔面からお湯を浴びると昨晩の熱がところどころで蘇るようだった。
もっとゆっくりしていたいが、その時間はない。早々に体を洗い終えて浴室を出た。バスタオルで体を拭いてから腰に巻いて寝室に戻り着替える。はまだベッドの中だった。

「、お前どうする?ここにいるか?刑事部屋に戻るか?」

シャツの袖を通しながら聞く。
掛布の中で籠もった声がする。

「ここにいます。」

その言葉に少し安心してしまう。帰ってきたらまた彼女の顔が見れるのかと思うと楽しみだった。

「鍵はかけていくからな。食事は好きなものをとってくれ。何かあれば刑事課にこい。」

「はい。」

掛布を頭までかけたままのの返事が聞こえた。起きる気もなさそうだ。スラックスを履いてベルトを締め、ネクタイを結ぶ。まだ起きない。余程疲れたのだろうか。心配だがジャケットを持って部屋を出る。

「行ってくる…」

普段自分とダイムしかいない部屋に向かっていうのは違和感があった。
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