第10章 楽園事件:1
反動で倒れると届く距離にスタンバトンがある。もう片方の手でそれを掴むと脚めがけて殴りつけた。痺れて麻痺する脚は義手を掴んで離せなくなった。
そこに常守がこの鳥人目掛けてタックルを決めると宜野座は腕ごと一緒に飛ばされる。だが態勢は彼女が下になった。宜野座はスタンバトンの電源を切った状態で彼女の頭に叩きつけた。さすがに脳への衝撃には耐えられず気絶した。
「助かった、監視官。」
「はぁ…はぁ…それより!詳しく聞かせてもらいますよ!」
この人間と言い切れない存在と狡噛の関係について。掘り下げたいことが山ほどある。
後方では霜月は唖然としたまま腰を抜かしていた。
さすがの六合塚も開いた口が塞がらないといった感じだ。