• テキストサイズ

はごろも折々、蝉時雨 ( 鬼滅*風夢 )

第21章 消息の途切れ



 無惨を目指し行冥と共に駆け出す。

 上空から、鴉の声がした。爽籟だった。



「カアア! 我妻善逸、上弦ノ陸ヲ撃破! 胡蝶シノブ、栗花落カナヲ、嘴平伊之助二ヨリ上弦ノ弐ヲ撃破!! 格闘ノ末、胡蝶シノブ死亡!!」



 物言わず、黙って聞き入る。

 柱が、一人欠けた。だがしのぶは最期まで戦った。次いで継子のカナヲと一般隊士の伊之助が戦果を挙げた。

 上弦の陸を倒したという隊士は柱稽古で逃げ出したあの我妻善逸だ。

 爽籟は続ける。



「冨岡義勇、竈門炭治郎二ヨリ、上弦ノ参ヲ撃破!! カア!」



 聞けば、小芭内と蜜璃の二人が上弦の肆と対峙しているという。



「爽籟、紅葉からの言付けはねェか? 星乃の様子は?」

「······」



 実弥の近くへ降りてきた爽籟は、実弥の問いに沈黙した。

 オイ爽籟。と、実弥は横目で黒光りするくちばしを見る。



「星乃、消エタ」

「······あ?」

「藤ノ花ノ家紋ノ家カラ、イナクナッタ」

「オイどういうことだそりゃあ···!?」

「紅葉ガ様子ヲ見二戻ッタ時ニハイナクナッテイタト訊イタ。コチラ二向カッテ来テイルカ、既二到着シタ第一陣に紛レテイル可能性アリ」



 実弥は言葉を失った。



「ッ"、あんの、馬鹿野郎がァ······!」



 やり場のない怒りをあらわに拳を握る。



「···爽籟、星乃を見つけ次第必ず止めろ。連れ戻せ」

「カア」

「どの辺りにいるかもわからねェのか?」

「一陣二陣、ドチラニ紛レテイルカハワカラナイ。紅葉ガ探シニ向カッタガ」
































 ───消 息 ハ、 不 明 。





/ 516ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp