第2章 正体
˚✧₊⁎ side
(ああ、そうか)
カレンダーを見て思い出した。
(今日はプリンセス選定式だっけ)
招待状は捨ててしまったし、行く気は全くなかった。
煌びやかな王宮の生活に興味はない。
(なんか、陰謀とか渦巻いてたりしそうじゃない?)
ムリムリ!と頭の中で考える。
友達が選ばれたりしたらすごいかも。
庶民がプリンセスになれるチャンスって夢があるのはいいと思うけどね。
私の夢は、普通の生活をして、誰か素敵な人と巡り合って……。
さっき別れたばかりのアランの顔が浮かんだ。
いやいやいや……。
私アランのこと名前と飼ってる犬のことくらいしかしらないし。
でも、なんとなく、向こうからもほのかに好意は感じる気がする……。
このままでは期待する気持ちが日々膨らんでいってしまう。
しばらく会えないっぽいこと言ってたし、このままでいるのちょっと悶々としちゃうなぁ。
プリンセス選定式終わったら、友達お茶にでも誘ってどうだったか感想聞かせてもらおう。
明日から仕事だし、今日は掃除がんばるかー。
立ち上がってのびをする。
のプリンセス選定式の1日はこうやって終わっていった。