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Diva!【イナズマイレブンGO】

第13章 Capture!〈遠坂 雪音〉


「私は皆みたいにサッカー得意じゃないから、だから私の代わりに雪音ちゃんが本当の優一君と京介君を取り戻して欲しいの」
『分かりました。絶対にやり遂げてみせます!』
「ありがとう」
「二人とも!取り敢えず現代に戻るよ!」
『はい!』

優一さんが此処にいると言う事は、まだ剣城君は元に戻っていないという事だ。剣城君を元に戻す為には少なからずもう一度戦う必要があるだろう。

『瑪瑙さんは…覚悟は付いているんですか?』
「ついてるって言ったら嘘になるよ?でも…私達は、君達に笑っててほしい」
『え…?』
「雪音ちゃんはね、私達の世界だと…そうだなぁ…」
『な、何ですか?』
「グレてる、って言えば良いのかな」

え、私ってあっちの世界だとヤンキーやってるの?

「あ、でも…まぁ、優一君には懐いてたよ。京介君とは意気投合してたみたい」
『そ、そうなんですか…』

一体どういう世界戦なんだ…。でも、これが歴史改変によって出来てしまったパラレルワールドの歪みなら、瑪瑙さん達はそれを正そうとしている。例え自分達がどうなっても。

「私達の事は気にしないで。ね?」
『はい…』

暫くすると、現代に到着した様だ。恐る恐るサッカー棟に向かうと、いつもの皆がいた。けど、やっぱり剣城君がいない。

『剣城君が居ません…』
「やっぱり…私達がまだ此処にいるって事は、まだ元に戻ってないんだね」

剣城君は何処にいるんだろう。

「雪音ちゃんも来るかい?」
『え?』
「京介の所」
『い、いえ…』

歪んだ時空の中の京介君は私の事を知らない。傷付くのが…怖い。

「そっか」
『すみません』
「良いんだ。それじゃあまた後でね」
『はい』

少し稲妻町の中を歩く事にした。剣城君が居なくなった時に通った道を通っていく。戻せなかったらどうしよう。弱気になっちゃ駄目なのに。どうして。

「俺、上手くやれるかどうか分からないぜ」

剣城君の声だ。声のした方向を見ると、優一さんとサッカーをしている。そっか、優一さんはこれがやりたかったから、タイムジャンプを先延ばしにしたんだ。

「雪音ちゃん!」
『…!』

剣城君がゆっくりと此方を向いた。いつもと違う、少し冷たい目。そうだ、君は私を知らない。

『…っ!』

耐えきれなくなってその場から逃げ出した。今迄優しい瞳だったのに、急に冷めた温度が身体を突き抜けた。
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