第13章 Capture!〈遠坂 雪音〉
フェイ君はその後インタラプトや時空についての詳しい説明をしてくれた。インタラプトって実際の英語の意味は邪魔をするって意味だから確かに間違ってはいない。そして、時空の歪みは弦の様な物だと教えてくれた。最初は何本もの線に見えるが時間が経つと元に戻ってしまう。それが間違った歴史であっても。
『成る程…』
「え、分かったの?」
『はい。フェイ君の説明が分かり易かったので、助かりました』
「でも、まずは雷門の皆を元に戻さないと」
「その前に。恐らくあいつらはサッカーの根本を断とうとしている。それを阻止しなくちゃいけないんだ」
『となると…円堂監督が活躍していた時って事ですか?』
「正確にはその少し前だね。そこであいつらのタイムインタラプトを阻止するんだ」
あいつら、とはまさしくエルドラドの事であり、プロトコルオメガはその組織のチームである。円堂監督の時代に飛んでも、きっとプロトコルオメガはやってくるだろう。
『行きましょう』
準備は出来ている。剣城君を元に戻す為にも。絶対に皆を元に戻さなくては…。
「追い詰めてる?」
『いいえ、と言えば嘘になりますかね…』
「君が居てくれるだけで何倍も心強いんだ。だからそんなに強ばる事はないよ」
『ありがとうございます…』
「さぁ、行こうか」
『はい』
そのまま円堂監督が中学生だった頃の時代に飛ぶ事になった。未だ私と天馬君とフェイ君だけだけど…絶対大丈夫って信じてる。
「此処が11年前の雷門だよ」
『ここからサッカー部が始まるんですね…』
暫くは見守る事にしたが、円堂監督ともう一人が帰っている途中で事件は起きた。
『アルファさんが…!』
「僕達も行こう!」
「うん!」
絶対に此処では負けられない。キーパーに円堂監督を入れての試合となった…が。
「その試合。俺も混ぜてくれないかな」
聞き覚えのある声。剣城君よりも少し声色が柔らかくて…それであって安心する。
『優一…さん?』
「そっか、この世界では君はこういう性格なんだったね」
『え…?』
「こんにちは」
『瑪瑙さん!どうして此処に…?』
「気にしないで。此処からサポートはするから、全力でね」
『は、はい!』
いつもの瑪瑙さんな筈なのに、どこか違う。それに優一さんも…。
「行くよ!」
『はい!』
天馬君も化身アームドが出来る様になり、三人で追い込んだ。