第2章 Darkness!〈遠坂 雪音〉
後ろを見ると。背中から大きな翼が生えていた。こんなの…見た事がない。何がどうなっているんだろう…。
「それではファーストランクのシードの元へ」
「はい」
また男の人の後を付いて行って、今度は数人の少年達が集まっている場所に連れて来られた。
「整列しろ」
その言葉と共に、少年達が整然と整列した。なんか…凄いこっちを見られているんですけど…。
「お前達に紹介する。グランドランクシードの遠坂 雪音だ。お前達を強化する目的で此処へ連れてきた。しっかりと鍛錬に励む様に」
「はい」
「これから此奴と一対一の勝負を行う。化身も自由に使って良い」
化身ってさっきの事…?自由にって言われても…きっとマグレだろうし…。
「最初は御厨!お前だ!」
「はい!」
「お前も準備しろ!」
『は、はい…!』
サッカー勝負って言われても…私全然出来ないのに…。
「始め!」
ホイッスルと同時に相手の攻撃を阻止に入る。見えた…癖がある。取られそうになったら後ろで隠して何とかしようとする所。
『そこっ…!』
「何っ…⁉︎」
隠そうとする一瞬の隙に取り入ってボールを奪った。そのままゴールへ突っ走り、点を決める。
「お前は此奴のプレーを見てどう思った」
『え、えっと…後ろで隠して場を乗り切ろうとする癖があるみたいです。だから…その隙をつけ込まれてしまう…』
「なっ…」
『す、すみません…!』
「いや、良い。次!白竜!」
次の人は何だか不思議な雰囲気な人だ。見た事のない目をしている。
「聖獣シャイニングドラゴン!」
『えっ…』
「行くぞ!」
駄目だ!抜かれちゃう…!私も…負けたら…何があるか分からない…!勝たないと…!
『天を駆ける者!エール!』
さっき初めて出した化身を出して白竜という人に追い付く。
「なっ…なんだ…」
『貰いますっ…』
奪ったボールを蹴ってゴールに向かう。何だろう…この子…。羽ばたきたがってる。
『エンジェリック…アフェクション…!』
「何と…」
な、何…?この感じ…体験した事無い…。私の体…一体どうなっているの…?
「次…剣城!」
「はい」
この人も、不思議な人だった。瞳が霞んでいる。罪悪感を背負っている様な…そんな瞳だ。
「剣聖ランスロット!」
この人も…!化身を持ってるの…?でも、負ける訳にはいかない…。負けたら…私は…。