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Diva!【イナズマイレブンGO】

第2章 Darkness!〈遠坂 雪音〉


『行かせないっ…!』

切っ先は鋭く、一点突破方式の化身だ。なら、その部分を特別強くしておけば良いだけで。

「くっ…」

翼で攻撃を受け止めて、ボールを奪った。もう一度ゴールを決める。こんな調子でずっと繰り返した。もう、正直体力が限界で、膝をつきたかった。

「次だ。行くぞ」
『は、はい…』

その後、またトレーニングを受けて、視界がぐらついたのだけは覚えていた。

「…です…!…ま…ら…!」
『んっ…』

誰かが話している。一つは多分千宮路と呼ばれる人。もう一人は全く知らない人だ。すると、男の人の声は聞こえなくなった。

『う、うぅ…』
「あ…起きた」
『あ、あの…此処は…』
「此処は医務室。君は遠坂 雪音ちゃんだね?」
『は、はい…』
「君は、ドーピングを受けていたんだよ」
『ど、ドーピング?』
「注射器でなんかされたでしょ?あれ…薬物」
『そ、そんな…!』
「何か変な気はしなかった?いつもより調子良いなーとか」
『し、しました…』

優しそうな雰囲気で尋ねてくる女性は白衣を着ていた。茶髪を一つに纏めて、緑色の目が綺麗に光っている。

「紹介遅れたね。私は麻乃 雛。医務室担当なの」
『は、はぁ…』
「全く…こんな小さな子に薬物なんて…本当に頭狂っちゃってるとしか思えない」
『わ、私…どうなってしまうんでしょうか…』
「分からない。君は千宮路に直接仕えている事になってる。私が救ってあげられれば良いんだけど…千宮路直属となったら手は出せない。ごめんね」
『いえ…』

いろいろと混乱していた。何がどうなっているのか。どうしてこんなところに居るのか。

「まぁ、暫く此処で休んでいなよ。此処にいる間は私が守ってあげられる」
『あ、ありがとうございます』

すると、ノックの音が聞こえてきた。扉が開かれると、そこには確か気を失う前に手合わせした剣城君が立っていた。

「おや、剣城少年。どうしたの?」
「いや…」
「あ、もしかして、雪音ちゃんに用?今はそっとしておいてあげてよ」
『だ、大丈夫です、麻乃さん』
「雪音ちゃん…」
『剣城君…でしたよね。何か御用ですか?』
「いや…さっきの…」
『手合わせの事ですか…?すみません、怪我をさせてしまいましたか?』
「いや、こっちも悪かった」

あれ、私何かされたっけ…?全然記憶にない。

「足、踏んだだろ…」
『えっと…』
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