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Diva!【イナズマイレブンGO】

第9章 Amusement!〈栗花落 菖蒲〉


「一回はこういう所でのんびり暮らしてみたいよね」
『そうだね』

涼しい風が浴衣の生地を通り抜けていく。紅色のストライプに緑と黄色菊模様。帯はミントグリーンの様な明るい色。

『太陽』
「ん?」
『甘いもの、食べたい』
「う、うん!」

古民家カフェ、とでも言えば良いのだろうか。まったりした雰囲気が凄く居心地が良くて、嬉しくなる。

「凄いね」
『甘いもの…』
「本当に甘い物には目が無いね。菖蒲」

太陽の言葉を気にせずに、案内された席に座った。

『凄い…スイーツ、いっぱい…!』
「目がキラキラしてる…!」
『ブルーベリーチーズケーキとフォンダンショコラに、限定のやつ!』
「お、おぉ…」
『太陽は?』
「じゃあミルクプリンかな」
『決定で良い?』
「うん」

店員さんを呼んで、注文をした。とっても楽しみだ。甘いものを食べてる時間が大好きで、幸せな気分になれる。

「ねぇ、菖蒲は来年も部活を続けるの?」
『うん、やるって決めたんだったら三年間貫き通すよ』
「そっか」
『太陽は言わずもがな、続けるんでしょ?サッカー』
「勿論、そのつもりだよ」

サッカーをしている太陽を見るのは好きだし、何ならずっと見ていたいとも思う。それは心配からなのか、それともまた別の感情からなのか。それは分からないけれど。

「おまたせしました」

目の前に現れるスイーツ達は光り輝いている様にも見える。

『美味しい…!』

またカシャカシャとカメラのシャッター音が鳴る。撮られているのは気に食わないけど、甘いもの美味しい。

「嬉しそうで何より」
『うん』

どれも美味しくて、本当に来て良かった。

『ご馳走様でした』
「良い食べっぷり」
『べ、別に良いでしょ』
「可愛かったよ」
『う、うるさい…』

そのまま店を出て、もう少し歩き回る事にした。週末なだけあって、やっぱり人は多い。

「菖蒲、こっち」

そのまま指を絡める様に手を握られた。一気に緊張して、顔が火照る。

『た、太陽…!』
「ん?」
『い、いや…何でもない…』

気にしてないの…?いやでも、普通に手を握るなら分かるけど…所謂これは、恋人繋ぎという物なのでは…?

「ねえ菖蒲!これ、菖蒲に似合いそうだよ!」
『え?』
「叔母さん!これ下さい!」
「はいよ。840円ね」
『え、ちょ、ちょっと!』
「お嬢ちゃん、こっちにいらっしゃい」
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