第9章 Amusement!〈栗花落 菖蒲〉
言っててあれだけど…ガチで恥ずかしいなこれ…。
『え、笑顔が眩しい…?』
「う、うん…?」
何で疑問形…。後は7つ…?多くない…⁉︎
『サッカー出来て…子供ともすぐに仲良く出来て…スマホの使い方とかも教えてくれて…』
「うんうん」
後4つ…。出てくるのは出てくるんだけど、口に出すのがとてつもなく恥ずかしい…。
『口下手な私にも、ちゃんと元気に接してくれるし…ほ、褒めてくれるし…甘いもの好きって言っても馬鹿にしないし…』
「うん」
ええい、こうなったらヤケクソだ!
『か、カッコいい!』
若干息切れしながら最後の一つを伝えた。最後の…言って良かったのか…?やばい…あまりにパニックになってて自分が何言ってたのか覚えてない…!
「あ、菖蒲…?大丈夫?」
『わ、分かんない…。自分でも混乱してる…!』
「あはは!菖蒲って面白いね!」
『わ、笑い事じゃない…!こっちはすっごく恥ずかしかったんだから…!』
「うんうん、お疲れ様。菖蒲がどれだけ僕の事ことを思ってるのか分かったから!」
『ああああ!良いってば!そういうのは!』
やばいやばい!パニクるし、混乱するし、もうどうすれば良いんだ!
「分かったってば」
『も、もう寝る!明日も早いから、ちゃんと寝なよ!』
投げやりにそう告げて自分の部屋に戻った。明日の朝顔合わせるのが、何だか恥ずかしくもある。
『ああもう!』
強引にベッドに入る。疲れもあるのか、すぐに眠りにつくことができた。
ーー翌日
起床は5時。何と7時半からだそうで、準備を進めて6時きっかりに朝食会場へ向かった。
「おはよ!菖蒲」
『おはよう。寝坊するかと思った』
「しないよ!」
今日もなかなかのハードスケジュールで、12時迄プログラムをやった後は電車で移動しながらご飯を食べて、1時から別の小学校で4時までプログラム。その後はまた電車で戻ってきて、ホテルに戻ってくる事になっている。
「菖蒲、準備できた?」
『うん。行こっか』
「はーい!」
午前中もプログラムを行い、急いで駅に向かう。
『太陽、お弁当買った?』
「うん、電車は?」
『あと10分で来る』
「うわっ!急がなきゃ!」
『うん』
電車に乗り込むと、あんまり人は乗っていなかったから、座席に乗ることが出来た。豪炎寺さんも、その辺は配慮してくれていたのだろう。
『ふぅ…』