第7章 Reduction!〈遠坂 雪音〉
「まぁ、良いけど」
今まで外食なんて行った事殆どなかったし、こうしてお茶する事もなかったなぁ。
「ここ、私が高校生の時からあったなぁ」
「来た事あるの?」
「うん、あるよ」
『ここ、どんな所なんですか?』
「凄い良い所だよ。ここにしちゃう?」
「私は別に何処でもいい」
「じゃあ、ここにしよう!」
八神さんも何処となく楽しそうである。やっぱり女子同士でこうしてお茶したりするのは楽しいのかもしれない。
「私チーズケーキ!」
「私コーヒーとパンケーキ」
『私、ガトーショコラが良いです』
「飲み物は?」
『紅茶でお願いします』
「瑠璃は?」
「んー私も紅茶かな」
一通り決まった所で、店員さんを呼んで注文した。
「やっぱり、雪音ちゃんはツインテールがよく似合うねぇ」
『そ、そうですか?』
「ええ。良く似合ってるわ」
「本当はツインテールに合うリボンとか買ってあげようと思ったけど…それは将来のお楽しみかな?」
『?』
「まぁ、こんな可愛い子だったら男が放って置かないでしょ」
「玲奈ちゃんの事も放って置かなさそうだけどなぁ」
「私は別に恋愛とか結婚とか考えてないから」
「そういう人こそ、舞い降りてくるもんだよ」
瑠璃さんは悟った様に言った。瑠璃さんも、元は恋愛とか結婚とか考えていなかったのだろうか。
『あ、あの…瑠璃さんと、ヒロトさんが出会った時ってどんな感じだったんですか?』
「そうだなぁ。最初はちょっと気味悪いって思ってたよ。実際」
「まぁ、それは私も同意する」
『え…』
「でも、実際は凄い弱い人だったから。介抱してあげたくなっちゃった」
「ヒロトの方は瑠璃に溺愛してるけどね」
『確かに…』
でも、それが鬱陶しそうという訳ではなくて、二人とも本当に幸せそうだった。
「あれ、電話だ」
「いってらっしゃい」
「まだお会計しないでね!」
「はいはい、分かったから」
瑠璃さんが席を外し、私と八神さんだけになった。
「帝国はどう?楽しい?」
『そうですね。楽しいです』
「いきなり帝国受験したいなんて言うもんだから皆驚いてた」
『菖蒲ちゃんと、一緒に受けたくて…』
「まぁ、高校受験にも役立つし、私は良いと思うけど」
『あ、あの、聞きたいことが、あるんですけど…』
高校で思い出した。所謂JKというものはおしゃれやファッションに気を使ってタピったりする物なのでは?