第7章 Reduction!〈遠坂 雪音〉
私以外とはあんまり話していなかったし、ずっと一人でサッカーしていた印象があった。
『どうして、狩屋君は私と話してくれたんですか?』
「…おんなじ匂いがした。それだけ」
『そうですか…。まぁでも、狩屋君が楽しそうで良かったです』
「はぁ?楽しそう?」
『天馬君達といる時、狩屋君とっても楽しそうですよ』
「別に…」
「あ、マサキに雪音ちゃん」
「げっ…」
『ヒロトさん。お仕事終わったんですか?』
「ああ、瑠璃の手伝いもあってね」
ヒロトさんとリュウジさん。それから瑠璃さんは、吉良財閥の要として日々頑張ってくれている。この人達がいるから、私達は此処で生活できるのだ。
『瑠璃さんはどちらにいらっしゃるんですか?』
「ああ、もうすぐ来るよ」
「ゆーきねちゃんっ!」
『る、瑠璃さん…!』
「ほら、来た」
『今日も晩御飯のお手伝いしますね』
「ありがと〜!」
狩屋君はヒロトさんの事は苦手らしいけど、瑠璃さんには心を開いているみたい。普通に話しているから、もしかしたら、何かあったのかもしれない。
「というか、マサキと雪音ちゃんが一緒に帰ってくるなんて珍しいね」
『私が今日、雷門にお邪魔していたんです。この前の謝罪をと思って…』
「そっか。ちゃんと謝れたの偉いね。雪音ちゃん」
『は、はい!皆さん、優しくて良かったです』
「今日はね〜ハンバーグだよ!」
晩御飯、久しぶりにハンバーグ食べられるんだ!
「帝国はどう?雪音ちゃん」
『皆、優しく接してくれたので、案外早く馴染めました』
「そっか。良かったね」
「確か、帝国って瑠璃さんの母校ですよね」
「そうだよ〜。懐かしいねぇ」
「だから、おばあちゃん出てるから、瑠璃」
お日さま園は何だかんだ言って楽しい。涼野さんや南雲さんもいいお兄さん方で時々一緒に遊んでくれたりする。
「それじゃあ、一緒に晩御飯作ろっか!」
『はい!』
ご飯作りを担当しているのは、瑠璃さんに、八神さん。そして私もご飯作りをお手伝いさせてもらっている。
「お帰り、雪音」
『ただいま帰りました。八神さん』
「瑠璃から聞いたわ。今日はハンバーグなんだってね」
『はい。久しぶりなので楽しみです!』
「それじゃあ、着替えてきて。あとは手洗いうがいも忘れずにね」
『はい!』
いつも通り手洗いうがいをして、何年か前の誕生日プレゼントに貰ったエプロンを付けた。