• テキストサイズ

Diva!【イナズマイレブンGO】

第6章 Collapse!〈遠坂 雪音〉


パッと見てやりたいと思った塗り絵をコピーしてきた。小さい頃以来、塗り絵とか遊んだ事無かったかも。でも、これって一度やると辞められないんだよね。


暫く塗り絵にのめり込んでいると、いきなり何かをかけられた。

『え…』
「6月とはいえ、もうそろそろ冷えるぞ」
『あ…剣城君』

肩に掛けられていたのは、剣城君の改造学ランの上の方だった。

「何してたんだ」
『塗り絵に没頭してました。案外楽しくて』
「そうか」
『学ラン、ありがとうございます』
「別に…」

剣城君は顔をボソボソとかきながら、少し目を逸らした。でも、剣城君の半袖の方が冷えそうなんだけど…。

『一緒に病室に戻りませんか?』
「ああ」
『そうだ。剣城君のお兄さんはここに入院していらっしゃるんですよね』
「そうだな」
『一度、会いに行ってみても良いですか?』
「別に…構わないが…」
『ありがとうございます。病室に戻ったら一緒に行きましょう』
「分かった」

剣城君はお兄さんの手術費目当てでフィフスセクターに従っていたと本人から聞いている。其れ程、酷い病気なのか…私、簡単に言ってしまった様な気がする。迷惑だったかもしれない。

「兄さんも喜ぶ」
『へ…?』
「兄さんも、退屈してるみたいだから」
『そうでしたか…!じゃあ偶に遊びに行っても良いですか?』
「それは兄さんに聞いた方が良い」
『はい。そういえば、天馬君はいらっしゃってないんですか?』
「今日は特訓してから帰るらしい」
『頑張り屋さんですね』

天馬君は真っ直ぐな人だ。だから貪欲に進み続ける。進化を続けていくんだ。

「また、退院したらサッカーやるのか?」
『どうでしょう。女子サッカー部なんて帝国学園にはありませんから…。それに私にはやる事がありますし』
「やる事?」
『小さな子達のお世話です。お日さま園には様々な子がいるので、何か力になれる事があれば良いなと思いまして』
「…そうか」

自分の病室に塗り絵セットを置いて、剣城君にお兄さんの病室へ案内してもらった。

「兄さん」
「京介。今日は二回目だな。…ん?その子は…」
『遠坂 雪音です』
「ああ、京介から聞いてるよ。で、それは…」

自分の格好を見ると、まだ剣城君の学ランを羽織ったままだった。

『はっ…す、すみません…!忘れてました…!』

急いで剣城君へ返した。完全に返すのを忘れていた。
/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp