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Diva!【イナズマイレブンGO】

第42章 HLHI Ⅷ〈栗花落 菖蒲〉


『ただいま』
「どうしたの?早いじゃない」

珍しくお母さんが早く帰ってきていたようだ。

『話があるの。栗花落家の事』
「…急ぎのことなのね?」
『うん。今すぐにでも、私は栗花落家に戻らなきゃならない。栗花落家の怨念は全て私が断ち切る』
「どういうこと?」
『翡翠の髪は、思っていたよりも良いものじゃない。多分だけど、この髪、切っちゃいけなかったんだ』
「あの時、切られて伸びてきたけど、それでもダメってことなのね?」
『そう。私、真相が知りたい。多分お婆様は知らない事が栗花落家に残ってるはず。それに私を呼んでいるの。私にそっくりな女の人が』
「…分かったわ。でもお母さんだけでは決められない。お父さんも許可してくれなきゃ…」
『分かった。お父さんが来るまで部屋にいる』

そういえばメッセージを確認しそびれていた。太陽から鬼のようにLINEと電話がかかってきている。折り返しかけてみるとすぐに出た。

「菖蒲!」
『太陽。どうしたの?』
「だって、さっきさよならって…」
『うん。しばらくは会えない』
「なんで…」
『理由は言いたくないの。これは私の為でもあるし、太陽の為でもある。全部終わったら、私から太陽に会いに行くから。それまで待っててくれる?』
「…分かったよ。そう言われたら弱いの分かってるくせに」
『ありがとう。LINEと電話ならできると思うから安心して』
「毎日する」

即答で答えてくれるところが私も大好きだ。私も彼の気持ちに応えよう。

『うん。でもこれだけは約束して。私が会いに行くまで、私を探さないでね。これだけは守って。お願い』
「…変なの。でも分かった。約束するから、早く会いにきて」
『分かった。じゃあね。そっちも観光楽しんで』

そう言って電話を切った。ここまでなら恐らく話しても大丈夫だろうというギリギリのラインまでは話した。約束はしたし、あとは自分の仕事をやらなくちゃ。

「菖蒲〜!お父さん帰ってきたわよ〜!」
『はーい!』

母の声に返事をして階段を駆け降りる。お父さんがリビングに座って紅茶を飲んでいた。

『お父さん。話があるの』
「お母さんも言っていたが、どうしたんだ?」
『私を、栗花落家に行かせてほしい。栗花落家の怨念を断ち切りたいの』
「ダメだ」
『私も譲れない。このままじゃ私は絶対に後悔する。この髪の事、ちゃんと知らなきゃいけないの』
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