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Diva!【イナズマイレブンGO】

第36章 HLHI Ⅱ〈遠坂 雪音〉


私達は午前中の内に合宿所に着いて、グラウンドで練習する予定。私は部屋を整えて部屋にいる予定。寒いし、あまり長い時間外にいると体が冷える。

「そういえば、剣城泊まっていかないの?」
「お前の部屋じゃ狭いだろ」
『天馬の部屋、片付けてないんだ?』
「うっ…」

高校生になってからは秋さんも勝手に部屋に入るような事はしないみたいで、片付けも自分でやるしか無いようだが、片付けは苦手なようだ。

『じゃあ、私の部屋に泊まる?』
「なっ…」
「あ〜!剣城顔真っ赤!」
「るせぇよ」

意識してしまった様子。まぁ女子と一緒に寝るとなるとそうなるか。

『冗談。剣城の家もどうせすぐそこだし泊まる必要もないでしょ』
「それもそっか」

天馬も納得していると、どこからか携帯の鳴る音が聞こえる。

「あっ俺のだ。ちょっと電話してくる〜」
『行ってらっしゃい』

天馬が電話の為に席を外して、私と京介が2人で部屋に残された。急になんだか雰囲気が変わったような気がする。

「雪音」
『な、なに…?』
「怪我がなくて良かった」
『私は別に襲われて訳じゃ無いし…全然何も無いから』
「連絡もらった時にお前にも何かあったんじゃ無いかと」

そのままガバッと力強く抱きしめられて拍子抜けしてしまった。剣城は自分から積極的に抱き付くようなタイプじゃないから、相当心配してたんだろうな。家に帰るまで携帯見てないし、もしかしたら何件か連絡入ってたかもしれない。

『大丈夫。私は無事で、今ここにいるでしょ』

何も言わずに抱きしめる力は強くなっていく。私が寂しいと思っていた間に、剣城は心配してくれていたのだろうか。

『ありがとね。心配してくれて』

前髪の部分にちゅ、と口付けて頭を優しく撫でた。ネイビーの柔らかい髪は、とても触り心地が良い。そのまま頭を撫でていると、すやすやと寝息が聞こえる。選考試合もあったし菖蒲の事もあって疲れてしまったのだろう。廊下を歩く音が聞こえてきて、恐らく天馬だと推測する。

「戻ったよ〜…ってあれ、剣城?」

人差し指を口の前に立てて、しーとジェスチャーで伝えた。

『寝ちゃったみたい。京介の家分かる?』
「うん」
『じゃあ、京介の荷物取ってきてあげて。今の時間だと親御さん居ると思うから』
「分かった」
『取ってきたら私の部屋に置いといて。このまま寝かすから』
「はーい」
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