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Diva!【イナズマイレブンGO】

第33章 Girls!〈天晶 瑪瑙〉


『私、毎日優一君の元に通ったよ。って言っても毎日は盛ったね。私が熱出していけない日もあったりしたけど、でも殆どの日は病室に通ってたよ』
「なんか凄い…健気ですね…」
『私が行きたかったんだよ。中学の時に京介君と色々あったみたいだけど、まぁ私はその時期はあんまり行けなかったかな』
「どうしてですか」
『受験があったの。私その時凄く忙しくて…というか精神も限界だったのかな。受験を理由に行かなかったんだ』
「行かなかった…?」

私、どんな事があっても優一君を支えると決めたのに。あの時逃げたんだ。あの時、私には優一君が眩しく見えすぎて。

『あの時かな、初めて優一君を男の子だって思ったの』
「なんか随分遅い自覚ですね…」
『私、なんか他の人よりズレてるみたいで…』
「雪音。確か瑠璃さんも似た感じじゃ…」
「血は争えないってやつ…?」

お姉ちゃんよりかはまだマシだと思うんだけど…。そんな事もないのかな…。

『受験期も佳境。皆身を粉にして勉強してて、私も疲れてたのかな。なんだか突然優一君に会いたくなっちゃって。放課後、その日だけは図書館に行かないで病院に行ったの』
「やっぱり、大好きじゃないですか」
『あはは、そうかも。詳しくは言わないけど、励ましてもらったんだよね。なんかもう、本当に嬉しくて。単純なのは見て分かると思うんだけど、それだけで受験頑張れちゃって、無事に行きたい大学にも行けて今っていう感じなんだけどね』
「好きな人に言われたら間違いなく嬉しいよね。ねー菖蒲?」
「な、なんで私に…?ま、まぁ否定はしないけど…」

菖蒲ちゃん、かなりツンデレな子なんだな…。まぁ記憶を無くしてからの雪音ちゃんもそんな感じだけど、2人こそ波長が合って似たもの同士だと思うんだけどな。

『大学生になってから、優一君もやっと普通に歩けるようになって、サッカーも出来るようになった。今、こうして努力が身を結んで、なんて事ない街並みを優一君と歩ける事も、優一君が笑って京介君とサッカーできてる事も嬉しいんだ』
「なんか…軽率に聞いちゃってごめんなさい」
「凄い、泣けてきた…」
『良いんだよ。私も誰かとお話しするなんて久し振りだから楽しかった』

自分の事を他人に話すって緊張するけど、でも共感してもらえる事が嬉しい。

『じゃあ次は菖蒲ちゃんかな?』
「えっ、えぇ⁉︎私ですか⁉︎」
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