• テキストサイズ

Diva!【イナズマイレブンGO】

第23章 Relaxation!〈遠坂 雪音〉


他に沢山ヘアアクセサリーはあるのに。どうしてこれを選んだのか、自分でも良くわからない。だけど…。

『…!』

なんだろう…いきなり…頭が、痛い…!記憶…?私が、このポニーフックを貰った時の…。

『あんな優しい顔…するんじゃん…』

今迄に見た事のない位の優しい剣城の顔だった。彼奴は…剣城はきっと私の事が凄く好きだったんだ。ずっと…。

『…』

このまま考えてもキリが無い。もう、寝よう。明日は確か11時に待ち合わせだ。


ーー翌日

『何時になるかは分かりませんが、門限までには帰ってきます』
「分かったわ。気を付けてね」
『はい』

黒の小さめなショルダーバッグに財布とメイクポーチ、その他必要な物を入れて、出掛ける事にした。

『ふぅ…』

今日は全体的にモノトーンが目立つので、リップは濃い目の赤を塗った。ネイルチップは赤と黒のグラデーション。お気に入りだったので付けたかっただけなんだけど。

『おはよ』
「ああ」

剣城も早いなぁ。まだ待ち合わせ5分前なのに。こんな早く着くもんかね?もしかして電車だったとか?いやいや…木枯らし荘に近い筈なんだけどな。

「行くか」
『行くって…何処に?』

何も答えてくれないんだけど…。何処行くんだろう…。

『な、なんで今日…誘ったの…?』
「ハッキリさせておきたい事があるからだ」
『…?』

ハッキリさせたい事…。何かあった…?もしかして、昔の事?私の事…何か、知ってたりするの…?

『此処って…』
「な、なんとなく」
『自分で連れてきておいてなんとなくって…あっはは!剣城本当面白いね!』

私を誘おうとした時もなんか自信なさげだったし、案外抜けてたりするのかもね。

『水族館、来たのは初めて』
「そうなのか?」
『ま、まぁね』

家族の事、剣城は知っているんだっけ…?覚えていないな、前の事。ううん、多分思い出したく無い。だって、前の自分の方がきっと優れていた。だから、剣城も好きだった。こんな可愛げの無い私には、もう何も残っていないんだと思う。

「なら、行くか」
『え、あ、うん』

真っ白なポニーテールがふわりと揺れた。海の近くにある所だからか、潮の香りがする。潮の香りは知っている。臨海学校で海に行った事があったから。

「大人、にま…」
『これくらい、自分で払える!割に高いし、自分の分だけ買ってよ』
「1枚で」
/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp