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Diva!【イナズマイレブンGO】

第22章 Flower!〈栗花落 菖蒲〉


やっぱり、褒められるのは慣れていなくて。でも、最近は軽度の褒めなら何とか大丈夫になって来た。デロデロに甘やかされるのは未だに慣れないけど。

『ねぇ。荷物置いたらさ、一緒に街を歩いてみない?』
「良いよ。ペアルックでも探す?」
『お家で着るやつなら、良いかも』
「そうだ。今日さ…家に親居ないんだ。二人共旅行に行ってて」
『これケータイ小説とかだったらベタな展開過ぎるよね』
「そうだよ。だから…ベタな展開、してみる?」

今日は…凄い太陽が攻めてくる。じゃあ、私だって攻めたってバチは当たらんだろう。だって、私だってオオカミになれるんだから。

『後悔しないなら…味わってみる?』
「菖蒲…ほんっとうに狡い」
『あんまり舐めて掛かると噛み付くからね』
「(噛みつかれたい…)」
『…何?』
「何でもない!着いたよ」

見覚えのある太陽の家。今迄のやりとりは人が見ていなくて本当に良かった。白昼堂々何いちゃついてんだと怒号が飛んできても何も言えない状況である。

『よし、さっさと荷物置いて街へ行こう』
「そうだね」
『それで、ちょっと早めに帰ってきて、太陽と一緒になんかしよ』
「賛成」

だって、お家デートというのはまだハードル高い。だから外で遊んでから短いお家デートを楽しもうという謎の計画がある。

「どこ行きたい?」
『じゃあ、当初のお望み通り、ペアルック探してみる?パーカーとかだったら良い感じだと思う』
「分かった。じゃあ行こっか」
『うん』

何も言わずに手を握られた。温かくて一回り大きい手が包み込んでいく。

『あのさ。太陽って、新雲にいた時に背番号11だったでしょ?』
「うん、覚えててくれたんだ」
『それはずっと見てれば自然に覚えるでしょ。だからなんか11が入ってる奴とか…良いな、とか…思ってたり…します』

何故に敬語…。やっぱり、素直に気持ちを伝えるのは恥ずかしい。けれど言わなきゃ始まらない。

「よし、探そ」
『行こう』

案外探せばペアルックなんて見つかるもんで。東京ならば探すのはいとも容易い事だろう。

『たっ…太陽…!あ、あった…!』
「き、奇跡…」
『これ…買おう…!』
「そうしよっか」

絶対、次に太陽と出掛ける時はこのパーカー着て行こう…。

『楽しいね、太陽』
「菖蒲の笑顔が見れて良かった」
『太陽…王子様気質あるよね』
「え、そう?」
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