第20章 Ripple!〈栗花落 菖蒲〉
仲の良さとか別気にしないタイプらしいので、何の確率か分からないけど、一緒のクラスになった。
「それに、太陽君とも同じクラスみたいだし?」
『そ、それは別に関係ない…!』
「ま〜た照れちゃって〜」
『い、良いから…!』
そのまま紅茶を啜って、立ち上がった。
『もうそろそろご飯の用意する?』
「うん」
『今日は何が良いかなー』
相変わらず両親は共働きで忙しいので、私がご飯を担当している。冷蔵庫を見ると、使えそうな食材が溜まっているので、期限が近い順から消費していく。
『今日は…カレーかな』
「おおー!」
トントンと野菜を切っていく間に、蓮華は洗濯物を取り込んだり、お風呂洗ったりしている。これだけ見ると、姉さんは家事は出来ない方では無いと思う。料理が闇鍋と化すだけで。
『出来たよー』
「はーい」
「ただいまー!」
あれ、今日は早いな。いつもなら帰ってくるの10時位なのに。
『お帰り。今日は早かったね』
「今日はねー!偶々早く終わったの!だから帰ってきちゃった」
いかにも語尾にハートがつきそうな勢いで話し始める。
『あのさ。今週末、太陽の家に泊まりに行って良いかな?』
「良いよー!雨宮さんの連絡先も知ってるし〜」
「えっ⁉︎泊まりに行くの⁉︎」
「良いじゃな〜い!菖蒲だってもうお年頃だし?雨宮君って子も可愛いじゃない」
「昔はパパと結婚する!とか言ってたのに!」
『煩い』
「えっ…」
流石にお父さんと結婚は無理。別に嫌いとかそういう訳では無く、法律的にって言う話ね。
『じゃあ、週末居ないから。宜しく』
節操無しと思われるのもあれなので、ちゃんとした目的を決めた方が良いよね…。太陽は推薦で入ったって言ってたし…春季講習(仮)って事でどうだろう。そうすれば、私も高校の予習が出来るし、太陽にもマイナスにはならないだろう。
『言っておくけど、勉強会だから』
「大丈夫よ。そこは心配して無いから。菖蒲だもの」
『まぁ…うん』
「というか、そういう雰囲気になったら、股間を蹴ると良いよ〜。一発KOだから」
お母さん。それは、普通に怖いです。でも、太陽とはそんな雰囲気にはならないだろうな、とは思う。そうなったら本当にお母さんの言う様に蹴ってると思う。何処を、とは言わないけど。
「でもね、ママ達も心配じゃない、って言われたら嘘になる。だって大事な娘だもん」