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Diva!【イナズマイレブンGO】

第18章 Exchange!〈栗花落 菖蒲〉


今更感がどうも否めないし、姉さんにも酷い事を言ってしまった。勝手に嫉妬して、勝手に怒って。もう…何も見たくない。

「あれ、菖蒲」
『雪音…?』
「どうしたの?こんな所で」
『雪音こそ…』
「ああ、私は…まぁ、色々あってさ。それで?私に何か話したい事あるんじゃないの?」

本当、雪音は記憶を失ってから前よりも数倍鋭くなった。今迄は、私が話を聞いていたのに…何だか逆になっちゃった。

『姉さんと、喧嘩してきちゃった』
「太陽君の事?」
『本当、雪音鋭い』
「まぁね。菖蒲の顔見れば大体分かる。普通の姉妹喧嘩じゃそんな暗い顔しないって」
『うん』
「ま、見た所、いつも太陽君と一緒にいるお姉ちゃんに嫉妬しちゃったって感じ?」
『うっ…』
「うわっ…まさか此処まで図星だとは思わなかった」

知らない自分がいて、好き勝手に振る舞われているのに、どうすれば良いんだろうって悩んだままで。結局こうなってしまった。

『私、太陽に会ってから思う事があって』
「うん」
『自分の知らない自分が居るの。私の中でグチャグチャに混在してて、それでも不快な想いはしないのが不思議で…』
「菖蒲って、やっぱり変な所で不器用」
『え?』
「その気持ちの名前、教えてあげよっか」

雪音はその名の様なスーパーロングのツインテールを揺らして立ち上った。振り向き様の笑顔が星空と一緒に輝いている。

「戸惑い」
『と、まどい…?』
「そ。自分の知らない感情が渦巻いて…恥ずかしさから来るものなのかな。そのせいで菖蒲の気持ちを制御してる。だから太陽君といる時だって年中顔赤くしてるでしょ」
『な、何で分かるの⁉︎』
「菖蒲って、案外単純なんだもん。分かっちゃうよ」
『単純って…』

ピピピピ

「あ、私のだ。んしょっと…あれ、珍しい。太陽君から」
『お、お願い!出ないで…!』
「菖蒲。もう十分頭冷えたんじゃないの?そろそろ許してあげたら?太陽君とお姉さんと…それから自分の新しい感情も」
『…』
「もしもし?うん、菖蒲なら私と一緒にいるよ。私、もうそろそろ門限近いし、菖蒲の家と逆方向だからさ、太陽君さえ良ければ送ってあげてくれないかな。無理なら蓮華ちゃん呼んで」
『ちょ、ちょっと雪音…!』
「取り敢えず、君が来るまで私と菖蒲は一緒に居るから。うん、無事捕獲完了してるから、早く来てよ?」
『あ、あのー…雪音…?』
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