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Diva!【イナズマイレブンGO】

第15章 Cooperation!〈栗花落 菖蒲〉


『ほら、寝ようよ。今日は少し、疲れちゃったから』
「うん」
『それで、時空冒険ってもう終わったの?』
「うん、全部、終わったよ」
『そっか。…改めて。お帰り、彼氏さん』
「ただいま、彼女さん」

帰ってきてくれて、本当に良かった。何度も迷ったし、後悔もした。だけど、こうして戻ってきてくれただけで、全部がどうでも良くなる。

『もう寝た?太陽』

返事がない。流石に1ヶ月も奮闘していたなら疲れていても不思議じゃないから可笑しくはないか。

『ごめん、太陽』

布団を這い出て、太陽の部屋のベランダに出た。月が綺麗に輝いている。ベランダの縁に腰掛けて、夜の風景を見ていた。自分でも何が何だかよく分かってないし、夢なんじゃないかとさえ思ってしまう。

〈ヒラヒラリ 舞って落ちゆく 染められて 望みのままに〉

ちょっとだけ声に出して歌ってみれば、いつもの自分になれる様な気がした。いつになったら、この高揚した気持ちは落ち着いてくれるんだろう。

「冷えるよ、菖蒲」
『ひえっ…!』
「おっと…危ない…」

この状態は…お姫様抱っこ?ベランダから落ちそうになったのは悪いと思うけど、もうちょっと普通に助けて欲しいかな。

「どうしたの?」
『分かんなくなったの。どれが本当の自分なのか』
「全部、菖蒲だよ」
『全部…?』
「そう、全部。全部が菖蒲に中にある菖蒲なんだ」

そう言われてみれば少し納得できた。私は、一つじゃない。色んな成分が集まってる。イチゴに、ミルクに…なんてそんな乙女チックな物は入れてないつもりだけど、太陽と関わってきてからは自然に入ってしまっているのかもしれない。

『太陽に言われるまで分からなかった。どれが自分なのかって。でも、よく考えたら、私は私の意思で行動してるんだから、私以外の筈がなかった』
「うん」
『というか…いつまでこの体制でいる気?良い加減恥ずかしいんだけど…』
「だって菖蒲軽いからつい…」
『お世辞はいらないってば。今度こそ、寝よっか』
「一緒にベッドで寝て良い?」

そうか、私達はもう「そういう関係」だ。でも些か早いのでは…?でも、一緒に寝たいと思ってしまっている事実。今日だけ私を許して。神様。

『うん』
「断ると思ったのに」
『じゃあいい』
「ああ!ちょっと待って!」
『早くしないと…いじけるんだから』
「すぐ行く!」

やっぱり太陽は暖かい。
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