第1章 運命の番
Jside
「先生の趣味って何ですか?」
「えっと、、、料理つくる、こと」
「料理男子!?カッコいい!何が得意なんですか?」
「パ、パスタとか。簡単なものなら」
「へー今度食べたいですっ!」
「へっ!?へえ!?」
「ふふ冗談ですよー。先生かわいー」
その子がニコニコしながら言って、あまりのことにきょどってしまうと、その子が笑った。
冗談か、びっくりした。
それからも色んな質問を受け、精一杯返していく。
なんか面接より疲れる。
高校生ってエネルギッシュだ。
俺が高校生の時あんな元気じゃなかったよ。
今の子凄い。
あまりの勢いに少しだけ表情が引きつっていると、くくっと櫻井先生の笑い声がした。
そして助け舟を出してくれる。
「はい、まだやることあるから次が最後な」
そう言うと、はいはいはいっ!て声が上がる。
ええ、大分答えたのに、まだ聞きたいことあるの?
マジで?すごいね。
そう思っていると櫻井先生が適当ん当てる。
「やった。じゃあ、松本先生って恋人いるんですか?」
「えっええ!?」
突然のことに頬が赤くなる。
まさかそんなこと聞かれるとも思ってなかった。
「ふふ赤くなってかわいー。この反応いるんですね!?」
「いっ、いや。。。いない。。。」
「ええ!?うっそー。今まで付き合ったこともですか?」
「う、うん。俺、モテないから。告白されたことない。。。」
レイプされたことはあるけど。
それは多分、男のΩだから。
案外男を組み敷きたいと思っている男は多いようで、ゲイじゃない人にされたこともある。
でも、告白なんてされたことない。
俺からも。
「。。。はい、しゅーりょー」
「ええーーー!?もっと聞きたい!」
「時間ねえの」
「えーー、じゃあ櫻井先生は恋人いるんですか?」
「。。。ふふ、ナイショ」
人差し指を唇の方に持っていき、櫻井先生はウインクをした。
それにぎゃああああっと悲鳴が上がった。
「はいはい。じゃあ一番から自己紹介な。名前と部活動。あとなにか好きなもの。人でもいいし、恋人紹介でもいいよ」
まだ騒がしい教室で櫻井先生が声を出し、自己紹介が始まった。
俺はその間に名前と顔を一致させる練習をした。
自己紹介が終わると委員会が決められて、その後入学式が行われた。
それが終わると些細な伝達の後、生徒は帰っていった。