第1章 運命の番
Jside
第二性。
社会的地位が高く、能力にも恵まれ、総人口の2割を占めるα。
人口のほぼを占めるいわいる普通の人間β。
そして、3ヶ月に1度、2週間ほど続く発情期(ヒート)のせいで重要な役職には付けず、社会的地位が低い。
総人口の1割を占めるΩ。
オメガは男女共に妊娠することができ、男のオメガは希少で、男でも妊娠出来ることから虐めにあいやすい。
そして、Ωの支配されたいという欲求に逆らえず、嫌でも逃げることが出来ないため、オメガの性被害は数を増すばかりだ。
かく言う俺も未遂も含めれば性被害なんて数えきれない。
そして泣き寝入りするしかない。
何故ならば、警察さえもオメガが誘ったという先入観から、まともに取り合ってくれないからだ。
綺麗にアイロンをかけたシャツにジャケットを羽織り、スラックスを履く。
マスクをつけて、必要も無い伊達眼鏡をかけた。
普通よりΩのフェロモンが強い俺は、少しでもαに煽られると薫りを知らず知らずのうちに出してしまう。
だから抑制剤の携帯・服用は欠かせない。
煽られないこと、この上ないのだ。
ふう、と息を吐くと今年から赴任する学校に向かった。