第10章 ファンド学園 新入生歓迎会
まぁ…俺には関係無いけどね。こんな美味しいイベントで異性同士のイチャイチャ…願わくは男×男が見たい!!
だから頑張って逃げまくってやる。フフフ…。
――…って昨日そう笑ってた自分を殴りたい!!
タッタッタッ…、俺は足に魔力を纏わせながら逃げている。
え? 誰からって? 何故か女子+ホモと思われる男子から追いかけられてるんだよ!? 全く嬉しくない!!
他の男子から文句言われるのが最早目に見えてるけれど…俺は逆に追いかけたいし、ホモはお断りだよ!! (泣)
「ハァ…ハァ…クソッ!」
一人対多数ってかなりキツい!!
「校庭に追い込んだぞ!」
「後は捕まえてカードを頂くだけね♪」
フラフラでもう逃げる気力が無くなりかけた時だった。
角から手が伸びてきて俺を掴むと視界が変わる。
「え?」
俺はさっき逃げてた校庭から屋上に移動させられていた。
「ふぅ…間に合って良かったです」
声がする方を見ると同じクラスのラシル・ラクィータが微笑んで居る。
彼も俺と同じ逃げ役だけどまさかまだ逃げれてたなんて驚きだった。
それにさっきのは間違いなく転移魔法だ。魔力が少ない彼には使用なんて出来ないはずなのに…。
「魔法の使用は禁止されてないのにみんな使わずに捕まえようとしていたから逆に驚きだよ。
ウェレア君大丈夫だった? 移動に魔力をかなり消費してるでしょ? これ魔力回復薬使って」
何も言えない俺をよそにラシルは話ながら回復薬を持たせる。