第7章 たとえ側に居なくても
「あぁ…何やら不穏な空気を感じる。それが何処からかなのかが
判断出来ないんだけどね」
「学園長が判断出来ないとは……何もなければ良いのですが…」
「あの方が居られるのだ。何かあれば直ぐに報せがくるだろうさ」
「あの方には任せてばかりで己が情けない」
「それに気付き、対処しようとする心意気が在れば、あの方が導いてくださる」
「そうですね…。ところで学園長。
その箸で摘まんでるのは私のニシンですよね?」
話の途中で指摘されてギクッとアレンは肩を揺らす。
「私が……大人しく居てると思って調子にのってます? (怒)」
「い いや…調子になんて…のってないです! ごめんなさい! 返します! だからその魔法はやめ…! (汗)」
バアアンッ…、年明けの昼下がりの宿舎に奇妙な音が響いたのは言うまでもない。
END