第5章 贈りもの
「で 出来た!」
喜びで一杯な私はそれを綺麗にたたみ、ラッピングを済ませる。
「ふぅ…」
一息吐くと私はベッドに横たわると眠りに就いた。
ふと寒いと思って目を覚ますと夕陽が部屋を照らしている。
「っえ!? もう夕方!? ヤバイ!」
ガバッと起き上がった私は急いで身仕度(みじたく)をするとプレゼントを持って部屋を出た。
冬のイベントに魔法のイルミネーションで彩られた街を駆け抜ける一人の少女が居た。
中央の噴水に少年が一人立っている。
海の様な髪と瞳を持つ彼は周りが見惚れて居たが、雰囲気は近寄るなと言う威圧を放っていた。
ふと彼がある方向に視線を向けるとその威圧を消す。
するとその前にホワイトブロンドの髪を風に靡かせ、翡翠の瞳を持つ少女が駆け寄ってくる。
少女を受け止めた彼は愛しい眼差しで話し掛けると彼女も同じ様に返しながら微笑む様は恋人だった。
そうと分かると周りの目が遠ざかる。
「上手いタイミングで来てくれて助かった」
「え? あ、もしかしてカイトが格好いいから他の人達の視線が気になってたの?
気にしなくてもいいのに…貴方にはもう運命の人が居るのにさ♪」
そう言って微笑む彼女をオレはぎゅっと抱きしめる。