第2章 学園祭後の祝勝会
「僕よりカヤバさんがね……あんなに上機嫌で料理してる姿はあんまり見れないから」
「ハハハハ…確かにな」
「クラスのみんなからは好評なんだから良いんじゃない?」
サナの言葉に僕は少し微笑む。
部屋の隅ではセイと母さん達が話してる。
そこに交ざりに行ったウェレアを母さんが頭を撫でまくっていた。
それを照れながら嫌がるウェレアを見て、セイ達は笑っている。
「おーい! ラクィータ! このパスタの追加を頼む!」
ザルクの掛け声に頷くと僕はカヤバに念話で追加注文する。
楽しそうに食事をしながら話すクラスメイトを見て、ラシルは小さな笑みを浮かべて居た。
夜、祝勝会の後、片付けを済ませ、セイの転移魔法で寮に帰り、部屋に戻ると少し前から始めた編み物を手にする。
(贈り物なんて……最後にやったのはいつ頃だろう?)
そう内心で呟きながら僕はある人へ渡す為のマフラーを編み始めるのだった。
END