【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第158章 ◇第百五十七話◇白い鳥達の祝福を受けて【運命の決戦編】
「決戦を前にこんな宴を開くとは思わなかったよ。」
私の肩に手を乗せたエルヴィン団長は、柔らかい表情で部下たちを眺めていた。
兵士長の婚約を祝うという名目で集まった調査兵達は、美味しい料理を前にして、一様に無邪気に笑って楽しんでいる。
まるで、今まで押し潰されそうになっていた何かを解放するみたいに、大きな口を開けてー。
もしかしたら、少しずつ近づいているその日に向けて、調査兵団の兵舎はピリついていたのかもしれない。
特に、エルヴィン団長はいつも難しい顔をして、神経をすり減らしながら、どうすれば勝利できるか、仲間を守れるかを考えていたのだと思う。
そう考えれば、今日のこの婚約パーティーを開いてくれてよかった思える。
でもー。
「おい、エルヴィン。勝手に触ってんじゃねぇ。」
リヴァイ兵長が不機嫌に言って、私の肩に乗るエルヴィン団長の手を払いのけた。
普段ならそんなことしないのにー。
酔っ払いのゲルガーさんとモブリットさんにからかわれ続けて苛立っていたのと、兵団服と違って黄色のドレスは肩を出しているから肌に直接触れたというのが気に入らなかったのかもしれない。
「あぁ、それは悪かったな。」
面食らった顔をしたエルヴィン団長は、すぐに可笑しそうに口元を隠した。