【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第158章 ◇第百五十七話◇白い鳥達の祝福を受けて【運命の決戦編】
「あなたがリヴァイ兵長の恋人だったんですね。
あのウェディングドレス姿での巨人討伐には感激しました!」
やってきたのは、おかっぱ頭の背の高い若い兵士だった。
見覚えのない彼は、自分のことをマルロと名乗った。
王都に奪われたエレンを奪還するためにリヴァイ兵長達と一緒に戦ってくれた憲兵で、その後移動願いを出し、今は調査兵だということだった。
彼の隣には、金髪のボブカットの綺麗な女性もいた。
ヒッチと名乗った彼女は、兵団服ではなく、お洒落なワンピースを着ていたけれど、マルロと同じように調査兵団に協力してくれた憲兵らしい。
彼女は、マルロのように調査兵団に移動する気はないようだ。
「あ…、あんたのソレ。」
ヒッチが、私の左手首についた赤いブレスレットを見て呟くように言った。
そしてー。
「アンタだったんだね。アニが言ってた、うるさい姉って。」
「うるさい姉?」
「珍しくアクセサリーなんかつけてるから、からかったんだよ。
そしたら、うるさい姉につけさせられたんだって、文句言っててさ。
そのくせ、暇さえあれば、嬉しそうに自分の手首見てて笑っちゃったよ。」
ヒッチが悪戯に笑う。
私は自分の左手首に相変わらず輝く赤いブレスレットに触れた。
そうか、アニは気に入ってくれていたのか。
私のことを、姉と呼んでくれていたのか。
彼らは、アニが女型の巨人だったことを知っているようだった。
それでも、彼らが話すアニは、憲兵として出逢った姿のままだったことが、とても嬉しかった。
ジャンに呼ばれたマルロ達が立ち去った後、やってきたのはエルヴィン団長だった。